見えた顔

今日は河原に行って川面をずっと眺めていました。


基本的には自分の顔がゆらゆら揺れながら映っているのですが、たまに自分じゃない顔が映ります。


その顔は全部自分の嫌いな人の顔でした。


嫌な気分になって川面から目をそらしましたが、その川に居た魚が「逃げるなよ」と声をかけてきます。


私は無視して家に帰ってご飯を食べて布団に横になりました。


天井を見ると、模様がすべて「お前が悪い」と言ってきました。


それも無視して目を瞑ると、まぶたの裏が話しかけてきました。


「また逃げるか」


朝になっていました。太陽は何も言ってきませんでした。

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