ミミズの死
今日は泥の中を裸足で歩いた。歩いた先には何があるかわからないが、とにかく遠くへ逃げなければならない。
途中でミミズに出会った。幾多もの足が彼を踏み潰したのだろうが、元気にうごめいている。
彼は逃げることとは無縁で、この泥の中でそれなりに快適に過ごしているのだろうな、と思ったときに、瞬間的に嫉妬のような感情を抱き、それに呼応して彼を踏んでしまった。
ただ泥があるだけであれば、彼は泥の中に埋まって終わりであるが、たまたまその下には大きい石があったため、その石と僕の足に挟まれてしまい、ミミズは潰れてしまった。私が踏まなければ生きていたであろうミミズの死骸を見て、酷いことをしてしまったと思ったが、それは一瞬だけで、またそそくさとどこへ行くかもわからずに次の一歩目を踏み出した。
その時真上に飛行機が飛んできて、次の瞬間、僕も潰れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます