ミミズの死

今日は泥の中を裸足で歩いた。歩いた先には何があるかわからないが、とにかく遠くへ逃げなければならない。


途中でミミズに出会った。幾多もの足が彼を踏み潰したのだろうが、元気にうごめいている。


彼は逃げることとは無縁で、この泥の中でそれなりに快適に過ごしているのだろうな、と思ったときに、瞬間的に嫉妬のような感情を抱き、それに呼応して彼を踏んでしまった。


ただ泥があるだけであれば、彼は泥の中に埋まって終わりであるが、たまたまその下には大きい石があったため、その石と僕の足に挟まれてしまい、ミミズは潰れてしまった。私が踏まなければ生きていたであろうミミズの死骸を見て、酷いことをしてしまったと思ったが、それは一瞬だけで、またそそくさとどこへ行くかもわからずに次の一歩目を踏み出した。


その時真上に飛行機が飛んできて、次の瞬間、僕も潰れた。

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