深夜の廃墟

@tya3

第1話 廃墟への探訪

8月の深夜、山奥の廃墟に立つ3人の男の子、明、隆、守。この廃墟は山間の静寂に包まれ、幾度となく心霊現象が目撃されていた場所だった。

明は冷静な性格で、幽霊や不可思議なことには全く興味がなかった。彼は友達たちの奇怪な話を聞き流し、それを単なる幻想だと思っていた。

一方、隆は霊感はなかったが、幽霊や心霊現象に深い興味を抱いていた。彼は古い本やウェブサイトで幽霊の話を熟読し、この廃墟には本当に幽霊が出るのではないかと信じていた。

そして、守は霊感があり、そのために山奥の廃墟に足を踏み入れることを躊躇していた。彼は心霊現象を身近で感じることができ、それが彼にとって怖い体験となっていた。

廃墟の中には、幻想的な存在として、透けた足が見える10代前半の少女の霊が現れることがあった。彼女は青白い光を放ち、言葉を発さずにただ現れ、姿を消していく。この幽霊は山奥の廃墟に長い間住んでいるようで、周囲の住民たちはその存在を認識していた。

ある晩、3人の少年は廃墟に足を踏み入れた。守は不安げになりながらも、友達と共にいることで勇気を振り絞った。彼らはランタンの明かりを頼りに廃墟を探索し始めた。

すると、ある部屋で再びその幽霊の存在を感じた。守は霊感を強く感じ、恐怖に怯えた。隆は興奮し、明は冷静だったが、幻影を前にしてもはや疑念はなかった。

幽霊の足跡が明かりの中で明確に浮かび上がり、その存在感がますます強まった。少女の幽霊は彼らに微笑みかけ、何かを伝えようとしているように思えた。

「何を望んでいるのか、分かるか?」守が静かに尋ねた。

隆は幽霊の存在を信じ、彼女の意図を理解しようと試みた。明もまた、彼女がただの幻影ではないことを受け入れた。

すると、少女の幽霊はゆっくりと手を差し出し、明、隆、守はその手を取った瞬間、幻影が消え去った。そのとき、3人は何か重要なことを学んだ気がした。幽霊はただの存在ではなく、何かを伝えようとしていることを。。。

彼らはその日以降、山奥の廃墟を訪れ、幽霊の存在を尊重し、彼女が伝えようとしているメッセージを解読しようと努力した。そして、3人の友情はこの不思議な体験を通じて一層強固なものとなり、幽霊の存在についての新たな理解を手に入れた。

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