432話 【ノーネームちゃんのおもり配信実況】
「のうむー!?」
「のうむのうむー!!??」
「み゛ゃあああああ!? のーむすー!?」
「あああああああ!!!! のーむぅぅぅぅぅ!?」
「のーむすー!! のむすぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
【草】
【草】
【初手絶叫とは斬新だなぁ】
【いやいやこれ子供たちのでしょ】
【5人が鳴いている】
【真っ暗な画面に子供たちの叫び声が響き渡っている】
【これこれ、これを待っていたんだよ】
【かわいそうだけどかわいくて草】
【じゃないだろお前ら!? あの子たち、魔王軍との決戦中に消えたんだぞ!?】
【え、じゃあこれって……】
【生きてはいるけど何かしらのピンチか】
【ノーネームちゃんはよ】
【早く映像を!】
【いや待て これ、ほとんど真っ暗だけど映ってるっぽい】
【ふぁっ!?】
【あー、ほんとですねー、今右下でちらっとオレンジに光りましたねー】
【ノーネームちゃんカメラさん! カメラさんもっと寄って!!】
【リョ】
【!?】
【いきなりカメラ移動しないで!!】
【普通に子供たちの真ん前で草】
【かわいい】
「や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……」
「のぅむぅ……」
「ぐす……のうむぅ、ないない……」
【どアップで草】
【草】
【かわいい】
【ノーネームちゃん! 加減覚えてってば!!】
【黒髪の子たちが鼻水垂らして泣いてる】
【かなりのガチ泣きで草】
【でもイスさんの上っぽい?】
【イスさん!!】
【え、でも、なんかみんなの髪の毛浮いてるような】
【てかノーネームちゃんも普通にワープしてんのな】
「だいじょぶ」
「のうむぅ……」
「う゛う゛う゛う゛……」
【わぁぁぁぁしゃべったぁぁぁ!?】
【ノーネームちゃん!】
【あ、ノーネームちゃんは普通にしゃべるのね】
【え、でも】
【何が大丈夫なんだノーネームちゃん!】
【ちっちゃくなってるぅぅぅぅ!?】
【速報・ノーネームちゃん、ノーネームちゃん(小)へ】
【え? なになに、どうなってんの??】
【これ、初期のハルちゃんとおんなじじゃね?】
【あー】
【つまり今のノーネームちゃんには生えていてもおかしくないの】
【そうね】
【ノーネームきゅん……良いわね】
【ハルきゅんと同じく布1枚だから最高ね】
【しっしっ】
【ハルきゅん萌え萌えきゅんサーバーはこちら→<URL>】
【姉御しつこいんだよ草】
【大丈夫よ 私以外にも仲間は居るもの】
【多すぎるんだってばお前ら】
【草】
【ノーネームちゃん……なんでお姉様方ないないしないのぉ……?】
【もしかして:お気に入り】
【えぇ……】
【普通に忘れてたけど、姉御は始原だからなぁ……】
【ノーネームちゃん、贔屓よくない!】
【てかカメラさん、もうちょっと遠くから……あ、どうもありがとうございます……】
【草】
【そういや忘れてたけど、ハルちゃんの配信ってカメラさんが有能だったわ】
【ハルちゃんの頭の上にあるはずなのになんかこれっぽい画角とか位置から撮ってくれるのよね】
【そうだよね、まるで生きてるみたいな 止そう、いたずらに予想するとみんなが不幸になる】
【大丈夫 もうなった】
【なったよ】
【ああ……今日からまた残業だ……】
【配信ドローンの開発チームが呼んでる……】
【かわいそう】
【かわいそう】
【ま、まあ、缶詰になってブレイクスルーあるから……】
【※1年くらいは帰れません】
【かわいそう……】
【え? それよりもさ ハルちゃん……どこ……?】
【あっ】
【え?】
【草】
【もしかして:置いてかれた】
【草】
【草】
【あー、何かの理由があってノーネームちゃん先行ってパターンあるか】
【笑っちゃったけどなるほど】
【「え、僕、置いてかれたんですけど」】
【草】
【やめて、絶妙に言いそうなのやめて】
【発言の捏造はNG】
【きょとんとして言いそうなのがハルちゃん】
【想像できすぎるからやめてってば草】
【まぁカメラさん来てるしな】
【じゃあハルちゃんのあほ毛からむしり取って?】
【草】
【ハルちゃんの毛根にダメージが!!】
【かわいそう】
【毛根】
【チガウ】
【予備】
【MkⅡ】
【草】
【草】
【なにそれノーネームちゃん】
【知らない……】
【とりあえずハルちゃんのあほ毛さんは助かったか】
【あの、今、子供たち……】
【ノーネームちゃんが来たんだから大丈夫だろ】
◇
「「「「ヴォォォォォォ!!!」」」」
「ばりあ」
「弱小種族の幼体だから柔らかくておいしそうだけど、ちくちく痛いからこのまま食べたら喉に刺さりそうだし、そもそも自分たち数が多いからどう分けようかな」。
そんなことを低い知能で考えていたドラゴンたちは、急に出現した「明らかにやばいの」「全力で掛からないと全滅」「助けて」に戸惑い、人間の子供のことも忘れ、即座に最大出力のブレスを放出。
しかし「イスさん」を包むように張られた薄い皮膜で、その全てが拡散。
「ノーム様ぁぁぁぁ!!!」
「マジで! マジで無理しないでくれ!!」
「え? え? ノーム様たちって無茶すると子供になっちゃうの??」
【ノーネームちゃんしゅごい】
【さすがノーネームちゃん】
【子供たちも泣いて喜んでる】
【いや、なんか切羽詰まった感じじゃ……?】
【赤毛の子はきょとんとしてるが……】
ブレスの熱すら届かない、絶対障壁。
しかし数の差は圧倒的であり、黒き女神が守るその空間は無限の中で堕ち続けている。
ブレスは周囲からまばゆいほどに吹き付けられ、他の魔法攻撃も始まる。
「とっ、とにかく攻撃です! 攻撃をし続ければ――」
「――ノームさま。 いえ、ノーネーム様」
「こんなに小さくなったのは、きっと激戦だったからだ」と思って必死の子供たちの中。
手元のタッチパネルでオートパイロットを選択した彼女が、立ち上がる。
「お役に、立てるでしょうか」
「……リリー……」
何度も見た、妹のはずなのに――まるで姉のような雰囲気を振りまいている血縁を見上げるビビー。
「お姉様。 私はこの日のために、10年間も鍛えてきました。 ……ね? ノーネーム様」
「ふかぎゃく」
【Yes/No】
轟音の中で、一瞬の静けさ。
その先に、
「お役に立てるのでしたら……Yes、です」
【OK】
彼女が、ノーネームに答える。
ノーネームが、彼女に応える。
「ぜんさぎょう、ちゅうだん」
女神の輪が、高速に回転を始める。
【時空魔法発動】
【貯蔵魔力展開】
【system99.9999%下落――復帰】
幼い少女の体が、漆黒の光に染まる。
【再起動】
「――おきて。 りり」
◆◆◆
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