395話 残党との戦いは続いてるらしい

こくっ。


あ、これ、確かに良いお酒だ。


こう、のどごしとか胃から上がってくる香りが


「ハルさん」

「ちょっとですから」


「いくらなんでもこんなときに目の前で煽らないでください」

「だって……」


あと1杯どころかあと1口なんだよ?


【草】

【草】

【ハルちゃんがふてぶてしい】

【いつものことでは?】

【くしまさぁん相手にここまでふてぶてしくなれるだなんて……すごいね、ハルちゃんって】

【お酒の女神様だからな!】


【ハルちゃんのことぼんやりとしか知らない、ニュースとかあんまり見ない人たちにとってはガチで「なんかすごいらしい古代ギリシャかどっかのお酒関係の女神様」として認知されてて草】


【草】

【ここまで大騒動になっててそれ!?】

【いやまあ、スマホでもニュースとか見ない人もいるし、ダンジョン潜らないなら興味ない層もいるし……】



【それにしてもお説教の最中に目の前で飲む度胸よ】

【まぁ、爆発してぶち切れモードになるよりは少ない代償だから……】

【非破壊オブジェクトのダンジョンを、1階層とはいえ半壊させたからなぁ】

【ああ、岩盤よりずっと固いらしいダンジョンの床とか壁ぶっ壊したし、天井も壁も突き抜けてたし……】


【このまま魔王の残党とかに殴り込みかけなかっただけマシだよね】

【ハルちゃんが動くたびに帰るのが1ヶ月延びるんだ……やめて……やめて……もう1年おうちにかえってないの……】

【かわいそう……】

【かわいそう】


「ハルさん」

「でも今の僕、お酒で魔力をそれなりに……そう、これは万が一に備えて」


「原理は不明ですがやめましょうね」

「はい」


「いくら体が丈夫でも、精神は私たちとそう変わらなければメンタルにはすこぶる」

「はい」


九島さんが怖い。


年下の女の子なのに怖い。


ちょっと抵抗してみたけどもやっぱり怖かった。

この場は逆らわないでおこう……怒らせちゃったし。


【草】

【草】

【やはりくしまさぁんは女神……】

【ハルちゃんたちと同格かそれ以上のね!】

【ままぁ……】


「本当、どこからどこまでを考えてないないぶふっ」


あ。


【草】

【草】

【速報・くしまさぁん、吹き出す】

【くしまさぁん、変なツボあるよね】

【それがかわいいんだ……】

【分かる】

【まじめな子ほどこういうとこあるよね】

【分かる】


「……をしていたのかは不明ですが」


あ、なかったことにしてる。


「ノーネームさんは――少なくとも地球のことでさえ、11年前から犠牲になる人々を救出してきていたんです。 戦闘中だったとはいえ、ハルさんも大切にしていた子供たちのことを見逃すはずがありませんから」


「……そうですね」


ちょっと顔が赤くなってるけどおすましの九島さん。


「今回の対魔王戦、中程度のケガまでなら居たようですが、死者は――参加人数が数十万だったにもかかわらず、皆無だと言われているくらいです」


「そ、そうそう! ノーネームちゃんはすごいんだから!」

「ふんす」


「ねー!」

「ふんすん」


【草】

【かわいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいい】


【ああ……るるちゃんが、るるちゃんが元呪い様なノーネームちゃんと……】

【ああ、素晴らしいな……】

【ノーネームちゃんも猫みたいに目を細めてる……】

【ここは天国……だったわ……】


【みんななかよし  こういう世界を見たかったんだよ】





「おー、今日もやってるやってる」

「やってる」


「わ、わーっ! お空飛んでるー!」


「もっと小さな子に抱えてほしかった……ほら、あの子くらいのロリっ子に……」

「三日月さん……」


【草】

【個性あふれる感想で草】


【ハルちゃんはお祭り見にきた感じだし】

【ノーネームちゃんは何言ってもハルちゃんの後追いだし】

【るるちゃんは素直かわいいし】


【えみちゃんは……】

【うん……】

【飛べる種族のみなさんのご厚意で連れてきてもらってるのにこのロリコンは……】

【ああ、くしまさぁんの目が据わってるぅー……】


どん。


どどん。


「こういう砲撃とか爆撃とかしてるのって、わくわくしますよね」

「わくわく」


「これが人相手なら不謹慎だけど、今回は魔王軍相手ですから純粋に楽しめますね」


【♥】


【草】

【ちょっと分かるけど草】

【ハルちゃんの感想が完全に子供なんよ】

【子供っていうか小学生男子っていうか】


【ハルきゅんのことショタって認めるのね!?】

【しっしっ】

【最近静かになったと思ったのに、一瞬で湧くな……】


【G用のスプレー効くかな?】

【いや、この姉御G、実名と職場が即バレしたら開き直ったやばいやつだから……】

【いくら吹きかけてもしぶとく生きてそう】

【ひどい!?】

【草】


【だって、こんだけ偉くなっちゃったハルちゃんに向かって、未だに生やそうとしてるやばすぎるやつだし……】

【姉御?? 不敬で本当に乗り込まれて処刑されるよ??】

【本当にマジで心配してるんだぞ姉御】

【姉御ォ!】


【大丈夫大丈夫】


【草】

【何が大丈夫なんだよ草】


【ほら、あっちに爺さん居るし?】


【何かあろうとも庇い立てせぬが?】

【地球残存組的にも、さすがに異世界から襲撃されたら引き渡すけど?】

【さすがにねぇ】


【えっ】


【草】

【草】

【悲報・姉御、見捨てられた】

【まぁねぇ……オリジナルの始原たちからしたらねぇ……】


【始原オリジナル……良い響きだな……】

【左様】


【草】

【てかあっちからもコメントできるのか……】


【ノーネーム様特製の通信じゃからの!】

【ノーネームちゃんを崇めよ!】


【草】

【変わらないノリの始原たちで草】



◆◆◆



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