【11/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。～レンジャースキルで「ヘッドショット系幼女」って呼ばれたりダンジョンの秘密に囚われたりする配信～

２１６話 「祈りを捧げられるハルちゃんたち」

ハルが堕ちながら何とか認識し、飛び込んで抱きついた赤毛の少女に、ぽろりと落ちてきた人形みたいな見た目のノーネームを両手でキャッチした銀髪の少女。

彼女たちを中心に「現代の地球の基準で表すと」初心者ダンジョンでドロップするような品質の武器を構えた子供たちが、視聴者の誰も理解できない言語で頻繁に会話をしながら歩いた先。

１０分ほど延々と狭い通路を歩いたあとにたどり着いた、焚き火が照らす部屋。

そこから数本伸びている狭い通路は、どれも松明が置かれていて、さらに先に続いているらしい。

【けど、この子たち……俺たちが観てるって知らないんだろ……？】

【なんか興奮してきたな……！】

【お前ら……】

【これが盗撮って性癖か……】

【帰って来い　　いや本当、手遅れになる前に】

子供たちは話し合い、２人ほど別の通路へ向かい、残りの子供たちとハルとノーネームは、その隣の部屋へ。

そこには……子供が数人、横になれるように並べられている布団がいくつかあった。

ベッドでないのは……多分子供の腕力では運べなかったのと、なにより狭い通路でベッドの脚を通せず、仕方なく上の毛布だけ持ってきたのだろう。

【あ、ハルちゃんが毛布に寝かせられてる！】

【赤毛の子がおんぶしてくれてたのね】

【顔が汚れてるけどかわいい】

【しかしみんなかわいいな】

【ハルちゃんとノーネームちゃんが１番だろ】

「くぅ……」

そうして毛布に寝かせられる直後。

カメラは、それを捕らえてしまっていた。

【！！！】

【ぷるんって揺れた！！！】

【ちっちゃいけど確かに揺れた！！！】

【カメラの真っ正面で証拠ばっちりです】

【ふぅ……】

【あー、これ、ブラつけてないですねー】

【！？】

【ハルちゃん、まさか……！】

【朗報・ハルちゃん、痴女】

【悲報・ハルちゃん、はいてない疑惑】

【体に合わせて服が生成されたのかと思ったが……まさか下着がないだなんてな……！】

【この白いローブの下が丸出しだって！？】

【普通に興奮してきた】

【いやーヤバいでしょ　　凹凸ゼロだった幼女の体じゃなくって、ちょっと膨らみある女の子なのにまさかのシースルーとか】

【ハルちゃんえっちすぎる】

【やばい……俺、今までハルちゃんのことほほえましいとしか思わなかったのに……！】

【……こんなこと言っててもないないされない……】

【なんかショック】

【なんかしょんぼり】

【俺はもうダメだ……】

【うう……】

【草】

【ダメだ、視聴者たちが訓練されすぎている】

【だって、ノーネームちゃんの制裁のない配信だなんて……】

【お前ら……せめてないないされる前、ちゃんと身辺整理はしとけよ……？】

『――――……』

『――――――』

並べられている布団と毛布、その真ん中に寝かせられた、ハル。

「彼女になった彼」の体は「小学校高学年程度」の肉体で、腰までだった金髪はふくらはぎまで伸びていて。

背中の白い羽は脱力して足先よりも長く、頭の上の輪っかは重力に反発して……光らなくなってはいるが、ふよふよと浮いている。

『――………………………………』

『――………………………………』

【あ、祈り始めた】

【ロリたちが俺たちを向いて祈りを捧げている】

【馬鹿、ハルちゃんにだろ】

【ハルちゃんと、多分ハルちゃんのお手々に載せられてるノーネームちゃんにだな】

【まぁどう見ても天使だし】

【天使（モノホン】

【天使か女神か……尊いというそれは変わらない】

【ここがどこかは分からんけど、この子たちの宗教観的には間違いなくマジもんの天使だろうしなぁ】

【ノーネームちゃんも、ちらっとしか見えなかったが……黒いけど生えてたしなぁ、羽……】

【異世界にも天使とか女神とか居るの？】

【異世界こそ本場って印象だな】

【まぁその異世界、リアルであるかもってなってるのはこの配信が初めてなんですけどね】

【仮に居なかったとしても、あの爆撃見たら女神って思い込んでも不思議じゃないな】

【あのモンスターの軍勢を一網打尽だもんなぁ】

【けど誰も分からないの？　この子たちの祈りのワードとか】

【ダメだ、本当に分からん】

【見てきたけど、海外勢も軒並み全滅だ　　これ、やっぱ地球じゃないぞ】

【えぇ……】

【速報・異世界、証明された】

【今ごろ、これ観てる各国のお偉いさんたち吐いてそう】

【吐いてる　　メインは魔王と軍勢の脅威でだけど】

【うちの大統領、救急車で運ばれちゃった……】

【大統領さんかわいそう】

【あ、テレビで速報入り始めたな】

【国連の会議でも阿鼻叫喚になってる】

【そらそうよ……】

【あ、うちのとこのも泡吹いてら】

【大丈夫、どの代表も良くて真っ青で、おとなしい方で突っ伏してるとか祈りを捧げたりしてるかだし】

【草】

【かわいそう】

【俺たちの比じゃない絶望感味わってそうで、ガチでかわいそう】

【ハルちゃんの犠牲者がこんなにも……】

【ハルちゃんが犠牲を抑え込んだんだろ！】

『『『――――――、……――――――……――』』』

子供たちの唱える抑揚は、恐らくは共通で知っている宗教的な祈りの唄か何か。

ただし、その言葉を視聴者の誰も、理解できず。

【とりあえずはハルちゃんたちが起きるの待ちか】

【だな】

【けど大丈夫？】

【何が？】

【だってさ　　ハルちゃん、おしゃけ……ないよ？】

【あー】

【全部ブラックホールに飲み込まれちゃったからなぁ】

【草】

【そっち！？】

【生活必需品とかじゃなくて！？】

【だってそうじゃん……ハルちゃん、アル中幼女じゃん】

【アル中じゃない……はず……多分……きっと……】

【そっか……きちゃない袋さん、とうとう洗われずに「きちゃない袋」って名前返上できずにブラックホールにないないされちゃったんだっけ】

【あんなに便利で何でも出て来るきちゃない袋さんが……】

【ハルちゃんが溜め込んでたのと、５００階層RTAで用意した残りの、相当ある物資が……】

【せっかくかっこ良くなってたイスさんも……】

【おのれ爬虫類！】

【だからお前は爬虫類なんだぞ！】

【しょせんは爬虫類よ……ハルちゃんを愛する資格など存在しない……】

【あ、ノーネームちゃんは別だからね？】

【死体蹴りで草】

【視聴者たちの恨みは深い……とりあえずのヘイトが全部向かうくらいにはな……】

【まあさっきの軍勢とか、ハルちゃん居なかったら本当にヤバかったっぽいし……】

【誰も知らないところでさりげなく訪れていた地球のピンチを救ったのがハルちゃんとノーネームちゃんだもんな】

【まあまあ、もう忘れようよ　　幼女なハルちゃんに惚れて人質取って、強引にお持ち帰りしようとして助けに来たノーネームちゃんのことを侮って調子乗ってさ？　　ハルちゃんとノーネームちゃんに負けて勝手に自爆した、どうしようもないトカゲのことなんてさ】

【草】

【酷すぎて草】

【事実なんだが改めて並べられると草】

◆◆◆

近況報告的なところへ、昨日描いたハルちゃんを乗せました。

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