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PM 16:20 中島公園近隣の橋
今日も依頼を終え、早めに店仕舞いをした。店の方は、この間の事件の
その間は、私はよくこの橋で時間を潰すことが多い。
そのため、報告書の生成などはラスティアに任せているのだ。
「やっぱり、ここにいたのね」
「セシリアか。もう終わったの?」
セシリアが、私を探しにきたようだ。どうやら、ラスティアから報告書を受け取ったらしい。
「報告書、受け取ったわ。それと、あの刑事さんの
「そう。それじゃ、もうそろそろ日本を出るのね」
「えぇ、これも仕事だしね。でも、意外と長かったわ」
セシリアは
「本当、面倒な事件だった」
「えぇ。全くそうね。まさか、警察まで動くなんて思ってもないわ。
けど、あなたが対応してくれたから、大事にはならなかったけど」
「君が相手になってるともっと厄介になってたけど」
お互い、煙を吐きながら夕暮れの豊平川を眺める。私は吸い切った煙草を携帯灰皿に入れると、セシリアも吸い切った煙草を同じく入れる。
「そろそろ行くわね。あの刑事さんも待たせているわけだし」
「おや? もう行くのか」
「えぇ。早いところ帰らないと、私の部下たちがうるさいのよね」
「それは大変だ。『
セシリアは、飛行機の時間があるようで、もう向かうらしい。
「それじゃね、アル。たまにはロンドンに帰ってきなさいよ」
「はいはい。そのうち気が向いたら帰るよ」
私は、セシリアを見送る。セシリアを見送ると、私はもう一本煙草を口に咥えた。
一服を終え、事務所に戻る。ソファーには、帽子をとった明日香が横になっていた。
「珍しいな。君が帰ってきてるとは」
「まぁね。特に用はなかったから帰ってきちゃった」
明日香は起き上がると、私のデスクに腰をかける。すると、亜空間から何かの封筒を出す。
「これは?」
「あれから頼まれていた奴。君によろしくだとさ」
「自分で渡せばいいのに、それほど出たくないのか? 彼女は」
「さぁ。私は別に
私は、明日香が渡してきた封筒を開ける。中身はなんと、
「今度行ったら、口座に振り込んでおくと伝えておいて」
「はいはい。そう伝えておくよ」
私は、請求書を引き出しにしまう。明日香は、何かの容器を亜空間から出すとそれを飲む。
「まだそれ飲んでたんた。美味しいのそれ?」
「まぁね。私は好きだけどね、タピオカは」
明日香は、黒い粒々したものが入ってるミルクティーを飲む。
「これからどうするの?」
「さぁ? 依頼がなきゃ
「なんだ。まぁ、その時がくればまた動けばいいか」
「そう易々と起きはしないさ。その時になれば、あっちからの横流しで来るだろうさ」
明日香は、ミルクティーを飲み干す。そして、それを置き私の方に顔を向ける。
「それに、君の『使命』とやらを知るのには、時期がまだ早いしね」
「何が言いたい?」
「さぁ。それは君がよく知ってることさ。けど、君がそれを知る気がまだないのなら、私は君の飼い猫でいるさ」
「飼い猫ね……。だが、それを知るには、まだあれが足りない。『本物のグリモアル真書』を全て揃った時に、それは明かされるはずだ」
「『本物のグリモアル真書』ね……。あいつも、あの女も、君のためにそれを探してるの知ってるけど」
明日香は、
だけど、魔術院に属している以上、私はこの街を離れることができない。
それに、私はこの街を、札幌を離れる気もない。この街は、私にとっては故郷のようなものなのだから。
『2人とも、食事の用意ができましたよ』
ラスティアの、私たちを呼ぶ声が聞こえる。
「ご飯だって。行こうよ」
「はいはい。それなら、行こうか」
コーヒを飲み干し、デスクの整理してから立ち上がる。
こうして、私と明日香は食事のため事務所を後にしたのだった。
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