第27話 全員寝ているとか

 俺は皆が待っている(と思っている)場所へ戻ってきた。


 エレベーターから出て直ぐに戻ったんだが、どうやら全員寝ているらしい。

 しかもご丁寧にコンテナの中にいるようだ。

 桜は相変わらず温泉のようだ。

 こんなに長い間湯につかっていても大丈夫なのだろうか。

 そう思いつつ見に行くと、ちゃんと湯から出ていたようで安心した。

 人様にはとてもではないが見せられないような姿だったけれども、見なかった事にしよう。

 流石に汗で身体がベトベト・・・・にはならない快適装備だから大丈夫なのだが、精神的にはちゃんと体を洗いたいと思ったので、体を洗ってから温泉を満喫した。

 その後もう一基コンテナを出し、1人で寝た。

 寝る前に食材やら着替え等、色々な物を詰め込んだ収納かばんをテーブルの上に置くのは忘れない。

 

 ついでに言えば人数分プラスアルファの上着を出しておいた。

 あれだけボロボロだとボロを纏っているのと変わらんからな。

 それにもし身綺麗な状態だと、目に毒な場合がありそうだから、俺氏の精神衛生上よろしくないからまずは羽織ってもらおうと。

 見えてはまずい部分が見えるのはお互い困るからな。

 ここまでしておけば問題ないだろう。

 そしてメモを置いておく。

 これで俺が起きるより先に彼女達が目覚めても不自由しないだろう。

 何せ作った料理は全て完食していたからな。

 まあ食材があれば調理器具は全て出しっぱなしだし、自分達で何とかするだろう。

 ふっ・・・・俺氏の好感度爆あがりか?


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 寝坊してしまった。

 誰か起こしてくれたらいいのに。

 そしてコンテナから出ると、テーブルを沢山の人が囲んでいてカバンとメモを見ていた。

 誰も料理をしていない、何故だ?

 そして6人のはずがどう見ても10人を超えているのだが。


「あ!」

「うわ!」

「いた!」


 とか何か見てはいけないものを見たような反応を示された。

 俺の後をつけていた別のパーティーが合流したようだ。

 そう言えばいつもは毎回一泊したら下の階層へ向かっていたから、今回のように同じ場所で2泊は無かったっけな。


 そしてよく見ればようやく男性メンバーが増えたようだ。

 つまり後続のパーティーメンバーは男女混成だったって事だ。

 そしてきっと今まで俺の後をついてきて、その後俺が余分に用意した食事を食べ、安全地帯である温泉が湧く場所でずっと寝泊まりしていたのだろう。

 で、俺は毎回その場を後に先へ進んでいたから鉢合わせる事が無かったのに、今回は女性のみで構成されたパーティーが全滅しかかっていたからいつもと違い、出発時間になっても彼女達が回復しきれておらずそれに付き合う結果、出発できておらずこうして追いついてしまったのだろう。


『ねえ貴方達、これ読める?』

 俺が置いていったメモを見ているようだ。

 因みに俺氏、読み書きは苦手だったのだが前世の記憶がよみがえり苦手意識が改善、克服できた。

『いや、これ古代語っすよね?ダンジョンで見かけるのと同じ文字っすよ。無理に決まってるじゃないっすか。』

『そうだよね。仕方がない、カバンの中を確認するしかないか。で、誰が開ける?』


 何かひそひそ話が聞こえているが、まさか俺が背後にいるとは思っていなかったのだろう。

 そう、俺が使用していた魔法、ダークネスの効果がまだ続いていたから誰も俺の姿を認識できていないようだ。

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