第73話

上杉との話し合いが終わったらすぐに佐竹とあった。

「今川宰相様、佐竹右京大夫です。」

「初めまして、佐竹殿、今川宰相だ。」

「はっ」

「其方の軍が我が領内に度々侵入しているとの報告を受けてな。それを止めてくれないか。もし貴公らが何もしないのなら、我々も攻めないだろう。」

「ほう、しかし領境が確定していないはずです。」

「確かにな。確定させるか。」

「はっ」

「私では決めかねることだが、後に使者を送る。その使者と相談の上、領境を決め、印を立てよう。」

「はい、我々としても常陸の統一に専念したいので、都合の良いことです。」

「そうか。頼んだ。我らとしても戦乱は減らしたいから好都合だ。これからは仲良くやっていこう。」

「はい」

常陸の佐竹とは無事に仲をよくなれて良かった。まあ仲が良いというより、険悪な雰囲気ではなく、まあ同盟国程はいかないけれど、少し協力する隣人みたいな感じだ。敵対しているより、断然の良いはずだ。敵は増やすと困る立場だからな。


後これで武田家との話し合いを終えたら、関東は下野、陸奥、出羽の三国を除いて平和になるはずだ。あそこの三国はいずれ平定することになるだろう。全てを平和的に解決することは不可能だ。そして三好との関係は悪化している一方。どちらも着々と勢力をためることになるはずだ。そしていずれ大規模な戦が起きる。その戦を制した方が、天下を取る。そして負けた方が滅ぼされる。義兄上は中立か今川に着くだろう。その場合、新たな将軍が三好によって建てられる。まあ義兄上の弟君の誰かだ。確か2人いるらしいし。もしくは、将軍家乗っ取りを企むかもしれないが。古賀公方家もなくなった今、2人の弟君と義兄上が亡くなったら、足利将軍家は滅びる。


そして今川家はその大規模な戦までに少しずつ力を貯めていく必要がある。そのためには東国が平和になることは重要だ。西国には手を出すつもりはないが、長宗我部とは仲良くなりたい。三好家も本拠地は四国だ。長宗我部とは敵対しているはず。ということはこの状況を長宗我部は面白く思っていないはずだし、反三好だ。今川家は反三好の代表的な役割だから、我らにつきやすい。こういう場は味方を形成するチャンスだ。三好も精力的に活動をしているらしいし。上杉は義兄上に従うはずだ。三好と戦いになって義兄上がこちらに着いたら、こちらに、中立だったら中立、三好についたら三好方にと。一様、本心かは謎だけれど義を主張しているのだから。


そして今川家の軍備を拡大する必要があるだろう。また治める国が増えたのだから。あとは鍛冶場を増やすか。あと電気の開発にも取り組む必要があるな。軍備の増強にあたり、やることがたくさんある。そして備蓄弾薬を500万発は超えさせたい。アメリカなど確かウクライナに対して何千万発も供与していたはずだ。戦国時代だから勝手が違うといえど多いと多いほどいいと思う。


それにしても次は武田か。武田に対しては良い条件だから受けてくれることを願うが。上杉の態度によっては上杉に利益を少し与える必要があるかもな。







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