第45話

「次は、足利義輔の処遇ですね。」

「そうだな。彼も謀反人だ。どうするか。反乱を起こしかねないから殺したいが。打首はなあ。」

「仮にも義兄上の従兄弟ですし、将軍家一門なので、打首はするべきではないかと。名誉ある自害でどうでしょうか。将軍家一門には名誉ある自害、それ以外は打首でどうでしょうか。」

「確かにそれは良いな。将軍家の家格を落とさぬしな。そういたそう。執行は1週間後だ。良いな。」

「はっ、執行は誰にさせましょうか。」

「義助の介錯は細川藤孝に行わせよう。晴元はいかがしようか。幕臣は抵抗があるであろう。かといえど今川に頼むのもな。誰か適任はおらぬのか?」

「三好にやらせるのはいかがですか?幕臣を執行奉行として、実際に切るのは三好のものにやらせましょう。」

「そうだな。それは良い!嫌がるかもしれぬが忠誠の証だ。戦場で謀反人を切れるなら、出来るはずだ。そうでなければ謀反人の一味だろうしな。」

「はっ」

「これで問題は大方解決したな。」

「それで、義兄上、某は駿府に処刑を見届けてから帰ろうと思います。」

「引き止めたいがまあ色々あるのであろう。難しいか。」

「大和にはある程度の部隊がいますし、一様一部の部隊は置いていきますが、のちに京都駐留のための部隊、3000を組織する予定です。」

「頼んだ。今川が居なくなると困る。畿内の情勢は依然として安定していない。」

「はっ」

「そうだ!畿内に来たさいに毎回寺に泊まるのはあれだろう。土地を与えるゆえ、屋敷を作れ。」

「ありがたき幸せ。」

「うむ。余の御所も作るつもりだ。流石に、将軍家も領地は持っておる。既に建設の準備を始めておる。諸大名の協力は得ず、自力で作成するつもりだ。すぐ隣に与えよう。」

「ありがたき幸せ。」

「何、気にするな。彦五郎は義弟だろう。」

「はっ」

「後は、京都に奉行所を設置するといい。幕臣だけでは手が回らぬ。今川に治安維持を任せたい。父上に相談したいところですが、難しいでしょう。わかりました。受けさせていただきます。」

「頼んだ。今川の将兵は規律が整っていて信用しやすい。三好はそうではないし、他の国もそうだ。となると、余の代わりに京の治安を維持できるのは其方しかおらぬ。」

「はっ」

「駿府に帰っても、助けてくれ。頼んだぞ。」

「はっ」

「三好を余は信用していない。いつ反旗を翻すかわからない。前の謁見を見たであろう。三好は少し睨んでいた。余が上座に座るのはともかく、其方が中座に座っているのが気に食わなかったようだ。それで余が彦五郎を褒めたのも気に食わなかったのだろう。三好の権力が減るからな。」

「はっ」

そして、僕が帰ってからの京のことを取り決めて、僕は京を出立する準備を始めて行った。早く駿府に帰りたい。義兄上も好きだが駿府が1番落ち着く。







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