第23話

伊賀を無事平定し、行う政策を決めた僕は、新たに伊賀に城を作りたいという意向を父上に伝えたところ、許可をもらった。そして粟尾長信が築城奉行権城代に任命された。そして僕が決めておいた候補地にかなり手強い城が建築され始めた。また、僕は九鬼水軍を傘下に治め、伊勢、志摩も他の今川領と同じような政策を初めて行った。更に虎騎刃軍の規模を拡大して、新たな領地や元々の領地11カ国から新たに募集した為、更に1万5千ほど規模を拡大した。現在虎騎刃軍は合計3万人となっていた。更に、僕は新たな軍種の作成に乗り出した。虎騎刃軍と対になる部隊だ。獅子刃軍が新たな部隊として2万用意した。いずれは虎騎刃軍と同数にする予定だ。この二つを中核とした常備軍を作成するつもりだ。更に水軍の増強も進んでいる為、今川家の勢力は日々、強くなっている。新たに入ってきた兵士は今は訓練中だが、いずれ関東での戦いに参加することであろう。


伊勢、伊賀を制圧した後、大和への調略やその後の後始末に忙しくて僕は新年を伊勢で迎えた。1553年になって僕は15歳になった。京の情勢は少しずつ悪化していて幕臣内での対立はひどいらしい。本当に困ったことだ。僕はなるべく関わるつもりはない。別に天下を取りたいわけでもないし。今川家が滅びず、安泰であればいいだけだ。義兄上が無事だったらいいだけだ。何かあったら保護するが、僕を巻き込まないでほしい。


「若殿、筒井権小僧都、並びに十市兵部少輔が従うとのことです。」

「そうか。福島正勝、ご苦労であった。」

「ははっ、若殿に赦されたこの恩必ずや返す必要がありますので。しかし越知を寝返らさせるのは難しいかと。興福寺、今井郷一向一揆も同じかと。」

「そうか。越智もか。筒井とは仲が悪いもんな。仕方があるまい。今井郷は滅ぼす。一向一揆はのさばらせておけん。今は禁止しておらぬが、帝、義兄上より治めるよう命じられた7カ国を治めたら、禁止令を出す。税を取り立てる。今川は豊かになった。農民は充分に食べていけるし、人を捨てることも無くなった。不作でも我等が備蓄を放出するなどをしている。多くの農民は参加しないであろう。興福寺は交渉を続けよう。越智は攻める。ただ内心は興福寺の武装解除をする口実がほしい。まあそこは頼んだ。他の大名家はどうだ?」

「未だ態度を決めかねているようです。ただ筒井と十市がついたという事実を宣伝します。」

「頼んだ。」

大和攻略も結構順調にいきそうだ。筒井家は当主が幼年だから、恐らく叔父が決めているのであろう。早く大和を制圧したほうが良いだろう。1週間後には兵を出すか。

「福島正勝、少し待て、出陣は1週間後だ。それまでに従わなければ攻めるとも言っとけ。」

「ははっ」

大和攻略をしたら帝に与えられた勅命を達することになる。それに今川家の上洛も楽になろう。次は関東か。







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