風が吹いた

朝香るか

第1話風が吹いた

 風が吹いた

 強く、強く。

 

 スカートをなびかせ、

 建物の窓を揺らし、

 風車を回し、

 意気揚々と過ぎ去る風たち。


 雲を動かす風たち。

 人間は思う。

 ああ、あんなに自由でいられたら。

 

 雲も、鳥も実は操っているのは

 風なのかもしれない。


 四季折々の風の温度に癒されて

 時に対立をして

 それでも共存していく。


 街の中にも

 自然の隙間にも 

 たゆたう。


 風は海と同じように

 豊かで時に厳しく、

 時に穏やかで優しい。

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