第二章 友達を増やそう編
第1話 剣術試験
朝起きた俺は、ランニングをいつもよりちょっと多めにして、朝食の席についていた。
「そうだアリオスト。あなた、確かステータスの改変ができるのよね?あれ、基本的にはやっておきなさい」
「分かりましたけど…何故ですか?」
「試験の後、ステータスを確認されるのよ、参考までにね。さすがにあなたのステータスをそのまま見せるわけにはいかないと思うから…」
「そうなのですか。確かに見せられませんね…」
因みに今の俺のステータスはこんな感じだ。
---------------------
【情報】
名前:アリオスト・レグシェル
種族:人族
年齢:10歳
【能力値】
レベル:34
体力:5700
筋力:4900
魔力:28000
防御:3000
俊敏:3600
【スキル】
《鑑定》《言語理解》《アイテムボックス》《魔力操作》《隠蔽》《剣術 Lv.6》《槍術Lv.3》《弓術Lv.3》《斧術Lv.2》《投擲術Lv.2》《鎚術Lv.2》《盾術Lv.1》《斬撃》《錬成》《ポーション調合》
【適性】
《想像魔法》
【称号】
《想像魔法の使い手》《転生者》
▽
【開示】ON/OF
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いやーなんて言うかさ、暇さえあれば依頼受けてたからレベルが上がるのなんのって…気づけばこんなことに…
しかも、魔力だけ何か桁違くない?みたいなこと思わないこともない。取り敢えず年に見合った能力値にしとかないと…
「母様、僕の年での平均ステータスはどれくらいなのですか?」
「そうね…高くてもレベルは15前後、体力は2000、筋力は1700、魔力は2000、防御は1000、俊敏も1000くらいかしらね」
「ふむふむ…」
母様の言ったことを参考に調整をしていくと、こんな感じになった。
---------------------
【情報】
名前:アリオスト・レグシェル
種族:人族
年齢:10歳
【能力値】
レベル:34(17)
体力:5700(2000)
筋力:4900(1700)
魔力:28000(2300)
防御:3000(1000)
俊敏:3600(1200)
【スキル】
《鑑定》(隠蔽)《言語理解》《アイテムボックス》(隠蔽)《魔力操作》《隠蔽》《剣術 Lv.6》《槍術Lv.3》《弓術Lv.3》《斧術Lv.2》《投擲術Lv.2》《鎚術Lv.2》《盾術Lv.1》《斬撃》《錬成》《ポーション調合》
【適性】
《想像魔法》(炎・水・風・土・光・闇)
【称号】(隠蔽状態)
《想像魔法の使い手》《転生者》
▽
【開示】ON/OF
---------------------
カッコ内が相手に見せる能力値だ。スキルはほとんど魔物を倒しまくっていたらいつの間にか増えてて、使っていたらLvが上がっていたものだ。重量系は苦手で、あまり使っていないので、Lvが低い。剣術は父様に扱かれてるから結構上がっている。
あとさすがに称号は隠した。
「こんな感じでどうでしょう?僕の素のステータスが高いものは高めにしてみたんですが…」
「いいんじゃないかしら?優秀な子供って感じがして。そうね、アイテムボックスのスキルは見せてもいいと思うわ。あと、もし学園長に会う時があったら、隠蔽は外してもいいわよ。信頼できる人だから。なんせ私たちの息子なんですから」
「あ、それ!聞こうと思ってたんです!何やったんですか、父様と母様」
「うふふ、内緒よ。どうしても知りたいのなら自分で…ね?」
「むぅ…絶対解き明かして見せますからね!!」
「はいはい、頑張ってね」
その後、朝食を食べ終えた俺たちは学園に向かった。
ここで学園の説明をしておこう。
王立ディリシア魔法剣術学園。これが俺の行く学園の名前だ。
この学院、王立と言ってはいるが学園長は王族とは全く関係ないらしい。なんでもエルフが学園長をやっているんだとか……エルフ!見てみたかったんだよなぁ…
そしてなんとこの学園、親による干渉ができないようになっている上、親の権力を振りかざすのも禁止行為とされていて、生徒がのびのび過ごせるような学園になっているらしい。
伯爵家って上と下に挟まれてるちょうど真ん中の微妙な位置だから面倒ごとに巻き込まれるかも~とか思ってちょうどよかった。
まぁ、ルールがあっても破るような馬鹿はいくらでもいるだろうけど。
……とまあ、学園については一旦こんなもんかな。
そんなことを思い出しているうちに学園に着いた。
「おわぁ...でかぁ...」
「ふふ。驚いた?さ、試験者はあっちよ。母様はここまで。頑張ってらっしゃいね。くれぐれもやりすぎには注意するように!」
「はい!それでは、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
そして俺は、試験会場に向かった。まずは座学からだな。
席に着き開始を待っていると、すぐに紙とペンが配られ先生らしき人が入ってきた。
「皆さん、紙とペンは配られましたね。それでは……座学試験、開始!」
(ふむふむ…試験の内容はあんまり難しくないな。この試験が簡単なのか、メイス先生が優秀だったのか……いずれにせよ座学試験はいい成績で通過できそうだな)
「そこまで!」
わっ!紙が勝手に浮いて回収されてく…これも魔法かな。
次は剣術試験だ。
試験を受ける者は何か所かに分かれて試験官の人相手に模擬戦をして、どちらかが一本取れたら終了みたいだ。生徒側は身体強化を使ってもいい。もちろん試験官は手加減した状態だ。
あ、忘れてたけど魔法か剣術か、受ける試験はどちらか一方でもいいみたいだ。俺は両方受けるけど。
(流石に一本とれてる人はほとんどいないなぁ)
そんなことを思っていたけど……
カァァン!!
「そ、そこまで!勝者、ノーセント・シーディス!」
お、あそこで誰かが試験官に勝ったみたいだ。
「なぁ、今試験官に勝ったのって、シーディス公爵家の奴じゃないか?」
「え、あの《王の剣》の!?」
「あぁ。きっと俺たちとは持って生まれたもんが違うんだよ」
有名な家の子か。なるほど道理でみんなあまり驚いていないわけだ。
「次。アリオスト・レグシェル!」
「あ、はい!」
名前を呼ばれ、走っていくと、さっきのノーセント・シーディス君とすれ違ったのだが、彼は何やら悔しそうな顔をしていた。
(どうしたんだろう。結果はよかったはずなのに)
いや、今はそれより試験だ。
「よろしくお願いします!」
「先ほどの試験で試験官が交代になった。特別試験官、Aランク冒険者のゼクス殿だ」
「……お前、レグシェルといったな。ギーゼレイス・レグシェルの息子か。そうだな?」
なんでここでも2人の名前が!?しかもなんか無表情でちょっと怖い!?
「えっと、はい、そうです、けど、何か…?」
「やはり…」
「?」
「俺は昔、ギーゼレイス殿を師事していてな。何なら1番弟子だ」
「そうだったのですか…」
「鍛錬、きついだろ。師匠手加減とかしないから…でも、だからこそ、剣術は他の奴よりできるはずだ。期待してるぞ…!」
ゼクスさんはそう言うと魔力を解放した。
(……っ!!空気が、重く…!?この人、強い!)
「試験、開始!」
「…!行きます!
俺は身体強化を発動して、まずはまっすぐ、ゼクスさんのほうに向かって駆けて行き、剣を振り上げた。
ギィィィン!!
(っく!さすがに防がれるか。なら!)
「
俺は腕にかける身体強化の魔力を多くして、ググっと押し込んだ。
「…!魔力の使い方が上手いな…だが、それでは俺には勝てない。本気で来い!」
が、すぐにはじき返され、あっちの剣が振り下ろされた。思わず剣を横にして受け止めた。
(ぐっ…!!お、っも!?でも...父様の剣のほうが、重いっ!)
キィィン!
ゼクスさんがやったように、剣をはじき返す。そして即座に後ろに下がって距離を取り、呼吸を整えながら考える。
(どうする、いくら身体強化をしても、このままじゃ勝てない!思い出せ、父様の授業を。……!そうだ!)
あることを思いついた俺は足にかけている身体能力の魔力を増やし、上に飛び上がった。
「どぉりゃあぁぁぁぁ!!!」
「!?上…!」
「はあぁぁぁ!」
と雄たけびを上げながら剣を振り下ろ……さずに、ゼクスさんの目の前に降り立ち、
「!?」
(ここっ!!!)
下から剣を振り上げた。
ガキイィィン!!!
ゼクスさんの手から剣が離れ、どこかに飛んでいく。
「ハッ、ハァ、これで、俺の勝ち、です…!」
「……やるな、俺の負けだ」
「……しょ、勝者、アリオスト・レグシェル!!!」
オオォォォォォ!!
「!?何……?」
「すげぇ…!学生がAランク冒険者に勝っちまったよ!」
「流石レグシェル家の人間だなぁ…俺もあんなふうになりてぇよ」
家族とかいろんな人には呆れられてばかりで褒められ慣れてないせいか、なんかむずむずするな。まぁみんなは大体俺のせいっていうけど。解せぬ。
さて、終わったはいいがこの後どうすればいいのか、と困っていると試験官の人が声をかけてきて
「お疲れ様でした。これで剣術試験は終了です。魔法試験は受けられますか?受けられるのでしたら、剣術試験も受けた方は午後から行いますので休んでもらっても構いませんよ」
「ではそうさせてもらいます」
そう言って立ち去ろうとすると
「アリオスト・レグシェル」
「ゼクスさん」
「久しぶりに心躍る戦いができた。感謝する。それと師匠によろしく頼む」
あ、よく見るとちょっと笑ってる。
「はい!こちらこそ、ありがとうございました!」
今までは父様とか兄様とか特定の人としか練習してこなかったからなんか新鮮だったなぁ…まぁでも、俺の本命は魔法だからな。
気合い入れてくぞ~!
―――――――――――――――――
作者です。さらっと遅れて投稿していくという……
戦闘シーン苦手すぎて、違和感しかないかもしれないです。ごめんなさい。
ちなみに学園の名前は国と王都の名前を合わせたものです。安直ですいやせん。
次回:魔法って難しいね。
またお会いしましょう。ではでは~
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