第5話「本当にお馬鹿ちゃんだった?」

 数か月後


なぎさ  いい加減正直に答えて。どうして目を合わせてくれないの


あず  合わせてるけど


なぎさ  いや、嘘つかないでよ。


あず  確かに合わせてませんね、って言えばいいの?


なぎさ  そして、授業中にはこちらはチラチラ見てる


あず  はあ?!


なぎさ  私と目が合ったらすぐそっぽを向く。違う?


あず  ……違うかもしれないし、違わないかもしれない


なぎさ  馬鹿の答えだ


あず  はあ?


なぎさ  ねえ、テスト期間中やら模試を控えた週は仕方ないとしても、それ以外の時も一緒にいちゃ駄目なの?


あず  いや、いいけど


なぎさ  じゃ、目を合わせるのは?


あず  それは駄目


なぎさ  ……どうして?


あず  わからない。自分でもよくわからないの


なぎさ  本当にお馬鹿ちゃんだった?


あず  ただ、あなたを見てると、胸の中で色んな感情が絡まって、撫でたいのか殴りたいのかわからなくなって…… ねえ、どうすればいいの


なぎさ  ……やりたいようにやれば?


あず  じゃあ殴ってもいいってこと?


なぎさ  それは駄目


あず  帰るね


なぎさ  待って


あず  待たない

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