第258話 荒れ地のボス

 夕飯などを済ませてログインした私は、アークサンクチュアリから飛んでボスエリアの方に向かい、ボスエリアに転移する。ボスエリアは覗いてもいないので、どういうモンスターなのか分からない。そういう事もあって、まだ誰を召喚するか決めていない。


「さてと、どんなモンスターかな」


 ボスエリアは、所々に高い岩場のある場所だった。その中央に、身体が岩のような鱗に覆われた蜥蜴のようなモンスターがいた。名前は、荒れ地の岩風竜。


「ま~た、ドラゴン……これまでのアップデートって、ドラゴンアップデートだったのかな」


 強さ的に考えたら、ドラゴンをボスに据えるのは間違いじゃないし、寧ろ良いとは思う。強いモンスターは何かと訊かれたら、私もドラゴンかなって答えると思うし。


「【召喚・ソイル】【召喚・エアリー】【召喚・レイン】」


 名前から考えて、相手が岩と風を使うという事で、ソイルとエアリーは絶対に外せない。最後の枠は、レインとスノウで迷ったけど、岩風竜に翼がないという事からレインにした。ライとエレクは、威力的に関係ないかもしれないけど、相手が岩だからやめておいた。


「いつも通り拘束優先で」

『うん……』

『はい』

『うん!』


 岩風竜が咆哮して、私達に突撃してくる。やっぱり、空を飛ぶ様子はない。ソイルが、地面を陥没させて岩風竜を落とす。岩風竜は、その穴から普通に這い出てきた。飛べないけど、壁を歩く事は出来るみたいだ。岩風竜は、私達に向かって口を大きく開いて、ブレスを吐いてくる。竜巻に岩が混じったブレスが飛んでくるけど、エアリーが竜巻を打ち消して、飛んでくる岩をソイルが逸らす。その間に、水を出していたレインが岩風竜の真下に水を移動させて身体を凍り付かせた。

 そして、ブレスの対処を終えたソイルが岩で雁字搦めに縛る。


『ブレスは、もう吐かせません』

「うん。ありがとう」


 お礼を言ってから、岩風竜に突っ込む。岩風竜は、またブレスを吐こうと口を大きく開ける。でも、ブレスは出てこなかった。エアリーが吐かせないと言っていた事から、ブレスの主体は竜巻にあるのだと思う。それを制御して、岩風竜の口の前で霧散させて、ブレスが効果を発揮する前に無効化している感じかな。

 そのまま岩風竜の背中に乗って、吸血を始める。レイン、ソイルの拘束は、かなり厳重なので、岩風竜は身動きすら取れない。多分、武装か操作系のスキルを持っているだろうけど、それもソイルとエアリーによって、効果を消せる。ブレスも同じなので、そのまま血を吸って倒した。

 【岩風息吹】のスキルを手に入れた。結果、【風息吹】と【土息吹】が収得不可能になった。岩だけど、【土息吹】が対象になるらしい。それとドロップアイテムとして、岩風竜の鱗×30、岩風竜の爪×2、岩風竜の牙×10、岩風竜の眼×2、岩風竜の核を手に入れた。あの身体に付いていた岩は鱗扱いになるらしい。ちょっとびっくりした。


「皆、お疲れ様」


 レイン達の頭を撫でてあげる。皆がいると、やっぱり楽に倒せる。テイムモンスターの恩恵は、本当に大きい。ずっと頑張ってくれているから、そろそろ何かご褒美をあげたいところだけど、皆にあげるものが思い付かない。こういう事は、アカリかメイティさんに訊くのが一番だ。アク姉に訊いたら、私って言うだろうから、アク姉の選択肢はない。

 皆をギルドエリアに送還してから、荒れ地エリアの先に向かう。荒れ地エリアの次は、鉱山エリアとなっている。鉱山エリアは、中央に山脈エリアや雪嶺エリアのような山が聳え立っている場所だった。高さよりも横とかに大きい。そして、いくつもの坑道の入口みたいなものも見える。


「あそこで採掘が出来るのかな。まぁ、そこは良いか。今日は、荒れ地エリアでレベル上げしよっと」


 天聖竜を倒すために、色々なスキルを入れ替えて、レベル上げをしていく。ちょっと夢中になっちゃって長い間やってしまったけど、まぁ、夏休みだから良いって事にしよう。

 翌日。夜更かしはしたけど、昨日と同じ時間にログインした。


「さてと、スキルの整理をしないと……って、アプデ入ってる。スキルの追加か。あっ、スキルで【プリセット】が追加されたんだ。消費SP1だから取りやすいし、レベル無しのスキルなんだ。まぁ、要らない人は要らないだろうから、これでも良いのかも」


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ハク:【武芸千般Lv74】【双刀Lv86】【双剣Lv100】【二刀流Lv30】【武闘術Lv100】【始祖の吸血鬼Lv83】【影武装Lv43】【火炎武装Lv28】【大地武装Lv32】【水氷武装Lv18】【暴風武装Lv26】【雷電武装Lv56】【索敵Lv88】【竜王息吹Lv25】【蒼天Lv23】


控え:【鋏Lv4】【三叉槍Lv12】【氷爪Lv25】【竜爪Lv11】【剛爪Lv4】【棘拳Lv11】【武闘気Lv66】【爆熱闘気Lv14】【敏捷闘気Lv9】【吸血牙Lv61】【銃Lv1】【散弾銃Lv3】

【眷属創造Lv13】

【魔道Lv9】【水魔法才能Lv36】【大地魔法才能Lv1】【雷魔法才能Lv1】【支援魔法才能Lv45】【死霊術Lv1】

【支配(血)Lv66】【無限血液Lv71】

【操糸Lv17】

【HPMP超強化Lv45】【物理超強化Lv40】【魔法防御強化Lv66】【器用さ強化Lv100】【運強化Lv100】【神体Lv61】【身体能力強化Lv100】【五感強化Lv47】【千里眼Lv43】【順風耳Lv43】【犬嗅覚Lv80】【神の舌Lv40】【至高の手Lv42】【頑強顎門Lv1】【弾性強化Lv32】

【毒耐性Lv69】【麻痺耐性Lv43】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv32】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv8】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv51】【気絶耐性Lv7】

【夜霧の執行者Lv28】【堅牢Lv43】【茨鎧Lv7】【腐食鎧Lv8】【潜伏Lv38】【雨隠れLv7】【暗視Lv43】【明所視Lv16】【暗所視Lv23】【回転Lv29】【飛翔Lv86】【暴飲暴食Lv68】【貯蔵Lv60】【恐慌Lv12】【腐食Lv42】【心眼開放Lv1】【熱感知Lv3】

【氷炎息吹Lv16】【氷雷息吹Lv17】【岩風息吹Lv6】【蒼炎息吹Lv11】【炎牙Lv19】【水鉄砲Lv30】【吸水タンクLv10】【泡Lv3】【氷分身Lv4】【魔氷結Lv12】【放電Lv15】【電光石火Lv80】【疾風迅雷Lv82】【雷脚Lv42】【猛毒牙Lv27】【猛毒鎧Lv3】【猛毒生成Lv3】【猛毒血Lv6】【麻痺牙Lv18】【沈黙牙Lv17】【呪牙Lv15】【失明牙Lv18】【血狂いLv8】【狂化Lv1】【加重闘法Lv3】【特攻Lv32】【強靭糸Lv8】【捕縛糸Lv12】【絹糸Lv3】【威圧Lv1】【ドラミングLv1】【超圧縮Lv16】【念動Lv1】【射出Lv51】【超音波Lv41】【白翼Lv1】【浮遊Lv9】【走壁Lv42】【珊瑚砲Lv11】【黒蝕Lv18】【粘体Lv6】【模倣Lv1】

【鬼Lv1】【鬼気Lv1】【黒鬼気Lv1】【竜王血Lv100】【竜鎧Lv8】【竜翼Lv23】【精霊体Lv21】【魔王Lv28】【大悪魔Lv47】【大悪魔翼Lv58】【聖王Lv47】【大天使Lv45】【大天使翼Lv51】【魔聖融合Lv25】

【機織りLv1】【糸紡ぎLv3】

【掘削Lv6】【竜騎Lv34】【農家Lv56】【果樹Lv1】【稲作Lv1】【畑作Lv1】【花卉Lv1】【茸栽培Lv1】【畜産Lv72】【酪農Lv20】【羊飼いLv20】【養鶏Lv20】【養豚Lv20】【養蜂Lv1】【木こりLv12】【調教師Lv76】【精霊使いLv64】【統率者Lv38】【言語学Lv87】【古代言語学Lv42】【現代言語学Lv51】【プリセット】

SP:1267


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【プリセット】:装備スキルのプリセットを最大十まで設定出来る。それぞれのプリセットに名前を付ける事が出来る。メニューの操作と音声認識で変更する事が出来る。控えでも効果を発揮する。


【鬼気】:鬼の力を身体に纏う。鬼の力を開放した状態でのみ使用可能。


【果樹】:果樹の生育が良くなる。控えでも効果を発揮する。


【稲作】:稲の生育が良くなる。控えでも効果を発揮する。


【畑作】:野菜等の畑で育つ作物の生育が良くなる。控えでも効果を発揮する。


【花卉】:花の生育が良くなる。控えでも効果を発揮する。


【茸栽培】:きのこの生育が良くなる。控えでも効果を発揮する。


【念動】:MPを消費して、物体を操る事が出来る。控えでも効果を発揮する。


【頑強顎門】:顎の力が大きく上昇する。石や金属も噛み砕く事が出来るようになる。控えでも効果を発揮する。(【咬合力強化】【狼牙】統合)


【心眼開放】:心の眼を開放して、本来であれば見えないものを見る事が出来るようになる。周囲の生物の動きを感覚で察知出来るようになる。MPを消費して、周囲の動きをスローモーションで認識出来るようになる。尚、自身の動きも同様にスローモーションになる。控えでも効果を発揮する。(【霊峰霊視】【第六感】【天眼通】【予測】)


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 物体を動かす動きをしていたので、【念動】を取ってみたのと【死霊術】も取ってみた。【死霊術】は、【プリセット】で素早く切り替える事が出来るようになったので、取ってみる事にした。後は、農業がやりやすくなるスキルと顎強化と【第六感】の進化形みたいなスキルに統合もした。【霊峰霊視】【天眼通】【予測】【第六感】の感覚はそのままで強化されているみたいだから、師匠との稽古でも使えそうだ。


「やっぱり、プリセットは便利だなぁ」


 いくつかスキルのプリセットを作って、いつでも切り替えられるようにした。これで、スキルのレベル上げも捗りそうだ。


「アカリも喜ぶだろうなぁ。一回一回生産系のスキルと入れ替えるの面倒臭いって言ってたし」


 取り敢えず、天聖竜と戦うためにスキルのレベル上げをしにボス戦を繰り返す事にした。

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