第27話 脱出

 【中庭】に出たえんじしあんは、凍り付くかように固まった。

なんと【校舎】3階から窓ガラスを突き破り鮫斬《シャークカッターが1階にダイブしてきた。

しかも、こいつはさっきのやつより大きいし、口元が真っ赤に染まりおぞましい姿だ。



「兄ちゃん、さっきのやつより大きいよ・・・でもなんで襲ってこないんだろう」

「わからない、さっきから叫ぶだけでこっちには来ないな」


「グォォッォッォ!!!グオォオォオォオオ!!!」


2人の全身から湯気が立ちのぼる中、徐々にこのX《オーラ》が縮小するのが見えた。


「おい、えんじなんか疲れないか?あいつも動かないみたいだし今は逃げよう」

「わかった、背を見せずに後ずさりすれば良いんだね?」

「その方が良さそうだな、ゆっくり後退しよか」


2人は、鮫斬シャークカッターから目はそらさず、後ずさりしある程度、距離が出来たので

180度、後ろにふり向いてまっすぐ走り出した。

鮫斬シャークカッターは追いかける事はなかった。


無事に【中庭】から脱出したが、2人は途方にくれる。


「どうしよっか・・・これから・・」

しあん兄ちゃん、丘の下の畑にいってみない?」

「そうだな、もしかしたらまだそこは無事かも知れないし、食べ物もあるからな、なんだか腹がへってきたよ」

「体からだるいよ、、、休みたい」

「おう、わかった。じゃぁ、畑に行こうか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る