第3話 イカルス

『太陽さんに恋焦がれるのは、水星だけじゃないの!』

『あら、イカルスちゃん。どうしたの? また燃えちゃうよ』

 水星はイカルスをからかうように頭上にある氷を見せた。

『私の方があなたより太陽さんのことを好きでいるの! 一時期遠くに行っちゃうけど、私は太陽さんのことが大好きよ』

『イカルスちゃん……』

 太陽は一途なイカロスに核をトクンと煌めかせた。


『いいなぁ、太陽のやろー』

 遠くで見ていた冥王星は思った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イカルス

水星横断小惑星

水星よりも太陽に近づくときがある小惑星。

軌道によっては、地球、金星、火星と出会うことがある。

太陽に一途な旅する小惑星。

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