服屋

リエラを追いかけ、ロフの部屋へと入る。

アルスがロフの部屋に入った時には既にリエラが説明を終えていた。


「アルスくん、話はリエラから聞いたよ。ショッピングモールだっけ?いいじゃないか!」


ロフもかなり興奮していた。まるで子供のようだ。


「お父様、アルスに相談して正解でしたね!」


「おや、いつの間にかアルス呼びに変わっているじゃないか。」


「アルスも私をリエラって呼ぶようになったのよ!」


「この短時間で仲を深めたようだね。よかったよかった!」


自分の娘が友達と仲良くなって喜ばない親はいない。ロフはとても喜んでいた。


「そういえばアルスくん。ショッピングモールに独自の服ブランドの出店を計画するみたいだね。」


「はい、ですがさっき咄嗟に思いついただけですのでまだ何も決まっていません。」


ロフも服の独自ブランドに興味があるようだ。

するとリエラが、


「アルス、私買い物するのが好きって言ったじゃない?特に服が好きなの!私もその計画に参加させてくれないかしら?」


リエラは服が大好きみたいだ。アルスを見る目は本気だ。


(レディースを販売すると考えると女の子がいた方がいいだろう)


と思ったアルスは、


「うん、ぜひ力を貸して欲しい!」


あっさりOKした。


ロフは他に仕事があるということでこの場は1度解散してリエラと2人で会議をしていた部屋に戻っていた。

が、リエラは相当な服好きだった。服の話をずっと聞かされる。でもその顔が可愛い。


リエラの話が落ち着いた頃、服ブランドの話が本格的に始まった。


「僕がメンズ、リエラがレディース担当で分けようと思うんだけどいいよね?」


「えぇ、いいわ。あと、これって自分でデザインもしていいのよね?」


「あぁ、いいよ!自分のブランドだしね!」


「自分の...ブランド...幸せ...」


今のリエラは誰が見ても浮かれていた。自分の服を作るのが夢だったようだ。

対してアルスは発案者ではあるものの服には少し疎かった。


(検索で参考になるものを探すか…)


今後、アルスは検索スキルを活用することを心に決めた。


「そういえばアルス!お店の名前は決まってるの?」


「さっき思いついたばかりだし、あるわけないじゃん。」


「じゃあ、私が考えてもいい?」


リエラが考えると言い出した。まぁ、自分で考える必要が無くなるため任せることにした。


「まぁ、任せるよ。」


「うん、わかった!」


するとリエラは白紙にすごい勢いで何かを描き始める。少し覗いてみると、ロゴデザインのようなものだった。きっとお店の看板になるのだろう。

数分後リエラの手が止まった。


「見てみて!!」


リエラは自信満々に見せてきた。


アルス・リエラ


リエラが考えたお店の名前はまさかのアルス・リエラ。2人の名前を繋げただけだった。

ちなみにロゴはとてもオシャレだ。


「私とアルスの名前をあえて付けてみたの。2人で作り上げたことを...しっかりと見える形にしたかったの!」


(なんだその理由、可愛い)


そう言うリエラを見ると顔を赤らめていた。

本当に可愛い。大人びている女の子だからこそ余計に可愛く感じる。

その姿を見てアルスは、


(なんか心拍数が早いな...)


すごくドキドキしていた。


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