第5話 孝の一粒万倍日

 もう一息で小遣いを掴み損ねた孝は、「一粒万倍日の今日が、決め時ですよ?」と、即決を促し、相続税相当分の1割を現金で受け取っていた。が、孝のこの行為は、末端のメンバーの小遣い稼ぎに過ぎず、某国が差し向けたブラックエステートの幹部達は、河川の上流部を押さえ込みたがっていた。

 某国の企みは日本列島制圧であり、敗戦国の癖にGDPは上位3位に辛うじて食い込み、他国で戦争が有れば金の用意だけして、静観しておく。

 それが鼻についていた。

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