第137話 主人公だから全部うまくいくなんて事はない

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なんとかなってるので・・・いいかな?(何

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―視点 御堂


 目が覚めると、俺達はミッションフィールドの森近くに立っていた。


 初めて帰還魔法を体験したが、何と言うかジェットコースターに乗った時の様な感覚で気が付いたらここに居た。周りではサイレーン達が目を回している。


 そこにはいつもいる筈のテルクシノエーとクレアが居ない。


 危険な事は重々承知していたが、まさかあんなにあっさりと二人が死ぬとは思わなかった。まだ苦しんで死んだ訳ではない分、よかったのかもしれない。


 いや、まったくもってよくはないが、二人は俺のソウルギア。たとえ死んでも俺が生きている限りは再復活からの召喚が可能だ。


 焦る気持ちを無理やり押さえつける。二人が死んだ時のフィードバック的な物で胸をやられたのか、血を吐いたがそれなりに頑丈な俺だ、まだ余裕はある。今度こそ冷静に二人を再召喚するとしよう。


「頼むぞ・・・召喚! テルクシノエー! クレア!」


 ソウルギアを召喚する時に出る特殊な魔法陣? らしきものが二つほど上空に展開され、それが下りてくると同時にテルクシノエーとクレアが元通りの姿で再召喚された。


 よかった・・・本当によかった。思わず涙ぐみながら俺は復活した二人を力強く抱き寄せた。恥ずかしいとか今はそう言うのは許してほしい。


 例え生き返るとしても、彼女達が目の前で死ぬのは俺にとってとても辛い事なのだ。


 復活した二人は一瞬きょとんしていたが、俺に抱き寄せられた事で、顔を真っ赤にして驚いている。


「すまん・・・今はこうさせてくれ」


「ご、ご主人様・・・」


「・・・ごしゅ・・・あーしのせいで・・・!」


「いいんだ。二人が戻ってきてくれただけで十分だ」


 あぁ、山崎があれほどになるのを改めて理解した。


 俺はこうやって簡単に蘇生出来る、それでも二人が死んだ時心が潰されそうな程痛かった。爺ちゃんと婆ちゃんが亡くなった時の同じ位の恐怖と悲しさが俺を襲ってた。冷静さなんてほとんど残ってなかったし、ハトメヒトが教えてくれるまでほとんど錯乱してた。


 そりゃあ、あいつは血眼になって、俺に土下座してまで、全てを投げうってまで俺に蘇生薬を求める筈だ。忘れていた、長く時がたちすぎて、薄れていたんだ。


 大切な存在を失う恐怖を。


 今は少しでもこうしていたい。二人も落ち着いたのか俺に体を預けていた。


「い・つ・ま・で・・・ひっついてるかな二人ともー!!」


「うぉっ!?」


「きゃっ!?」


「ぉっとぉ!? ご、ごめんごめんサイレーン」


 結局抱擁は3分ほど続き、サイレーンが強制的に引きはがすまで続いていた。そして改めて恥ずかしくなる俺に、つぎは私だねとショコラが抱き着いてきててんやわんやになる始末。


「うおおおお・・何やってんだ、何やってんだおれぇ・・・!」


「まーちゃん、次はショコラにね。さぁどんとこい」


「マスター、私も私も!」


「・・・・・そろそろいいかー?」



 ようやく落ち着いた頃にはジト目で俺達を見ている片桐の姿があった。


 いそいそと正座する俺。地面で正座は膝が痛い・・・


「すまんかった」


「よし、明日ケーキな」


「了解しました片桐様」


 今の俺の立場は微生物より下である。


「友樹たちが騒ぎすぎてて逆に冷静になれたから色々やってたんだけど、やっぱり一度脱出するともう中に入れないわ。ドローンも弾き飛ばされたし、こりゃ素直に待機所であいつら待ってるしかないんじゃないか?」


「それしかないか。てかあれはひどすぎだろ。ドラゴン複数体で逃げ場所なしって、どういう場所だよ」


「今までが運が良かった、そう思うしかないであろう。ガチャでも運は収束する、確率と言うのはそういう風に出来ているのだ、多分。大体200連引いてSSが出なかったあと、適当に回したらいいのが来る、そういうやつであるな」


「やめろ、私に効く・・・」


 片桐、どうやらこのまえ天井無し課金で数十万叩き込んでも出なかったみたいだからな・・・最後の最後には当てたらしいが、酷くないか天井無しピックアップとか。


「よし、皆そろそろ戻るぞ、準備はいいか?」


 俺の号令に全員がこくりと頷いた。


 よく考えれば初のミッション失敗なんだよな。流川も毎回全てが成功してる訳じゃあない、今回の事を教訓にしつつ、次のミッションで生き残れるようにしないとな。


 









 車を隠しておいた合流場所に山崎達の姿はなかった。


 恐らくはまだダンジョンに居るんだろう、全員無事だといいんだが。


「それにしても今回のディザスター、いつも以上に変だったな」 


「片桐もやっぱりそう思うか? 何て言うか、まるで【テストプレイ】させられてる感じがしてたぞ」


「主殿と片桐殿の考えが正解であろうな。何事にも初体験、やさしくしてね? 魚介類は下ごしらえが大事なのよ、と言わんばかりに。恐らくは急遽思いつき、開催しつつ色々ルールを後付けしているのであろう」


「んなことしてくんの? 最悪じゃね?」


 よく言ったクレア。お前とテルクシノエーはその最たる被害者だからなもっと言ってやれ。


「故に、だからこそのシーズン外でのミッションだったのだろう。これを通常ミッションで行えば、上位レベル陣が蜂起する可能性もある。ディザスターとしては折角のプレイヤーが減るのは好ましくあるまい」


「今回の私達の様に、報酬で釣ってテストプレイをさせる・・・という事ね? 確かに報酬は魅力的だし、シーズン外での自由参加な以上、どれだけ理不尽でも、参加した私達の責任、と」


「こすっからいなぁ・・・ま、あーしらはまんまと乗せられたって事か」


「予想でしかないがな、我としては割と当たっていると思われる。特に主殿に届いたメール。【複数のソウルギア】持ちに対する対処等、その最たるであろう。そして同時に、プレイヤーの中にはやはり【複数のソウルギア】持ちが最低でも複数人は居る事が判明した。敵ではなくプレイヤーではあるが、それがプレイヤーキラーでない可能性は不明な以上、潜在的な敵として認識しておくことも必要であろうな」


「・・・貴女、真面目に出来るんだから、普段から真面目にできないの?」


「テルクシノエー殿。それはしらたきに、こんにゃくをやめろと言っているのと同義である。我としては普段が9割本体、残り1割はほんのり可愛い、磯要素がある無表情系混沌幼女を目指している所であるからな」


 テルクシノエー、多分ハトメヒトはシリアス場面以外はもうこれで固定だと思うしかないぞ? 時々ちゃんと役に立つからこういうキャラだと認識しようぜ。


 そうか、やはり俺だけじゃあないよな。流川だってある意味では複数のソウルギア持ちだし、可能性程度でしかないが蘇生薬を沢山用意してプレイヤーを蘇生すればそれはそれで複数持ちになれる訳だ。


 というか考えれば考える程、ディザスターも四苦八苦している可能性があるんだな。やってる事は最低だが、もう少しこう・・・人死にが出ない感じのミッションを用意してれば、プレイヤーになりたいという奴は沢山増えるんじゃないだろうか?


 まぁ、それが出来てれば苦労しないんだろうが。


「で、友樹? いつまで待つんだ? 山崎達の事? 流石にいつまでもって訳にはいかないだろ?」


「最低でも1日は待つぞ。若しくはミッションが終了した後半日だな。ミッションが終了すれば流石に全員無事なら半日立たずにここに戻ってこれる筈だ」


 逆に1日たってミッションが終わってなかったら一度戻る。


 一応参加した以上、ミッション失敗でもクリアか全滅報告はアプリに届くはずだ。その時に改めて迎えに行けばいい。


「ん、りょーかい。あ、それじゃさ報酬分け合おうぜ!」 


「おぉ、そうだったな。えーと半々でいいか?」


「・・・友樹、頭大丈夫か?」


「なんでだよ!?」


 何故そんな可哀想な人間を見る目で俺を見る。


「6分割だろ? そりゃ最終的に見れば5が友樹で1が私になるけどさ」


「いや、俺が9割貰うってどうよ・・・」


「だって、私以外は全部友樹のソウルギアじゃん? で、ソウルギアも一人として報酬も貰えるらしいし、そうだったら公平に6分割だろ?」


「あー・・・確かにそうだね」


 サイレーンが成程といいながら手を打つ。


 確かにソウルギアを一人として換算すれば最終的にはそうなるのか。てことは最悪他の奴と組むと、絶対もめないかこれ?


 確かに俺一人で他の全ての事が出来るが、だから俺9割、お前1割なって言われてはい分かりましたって納得できる奴も少ないだろ。


 その点片桐はちゃんとそう言ってくれるんだが・・・


「あーしらの報酬は全部ごしゅに行くから、そうなるのか。小遣いとかはポイント貰えばいいしね」


「・・・それなら俺はこの雷帝剣貰うから、他を半々でわけようぜ?」 


「いいぞー? てか私がそんな剣貰っても使えないし・・・寧ろ渡されたら嫌味かっていう所だった。あ、私ほらあのシリアルコードのカード半分欲しい!」


 そんな訳で意識を完全に切り替えた俺達は宝箱報酬を思い思いにわけあったのだった。


 山崎達・・・無事でいてくれよ? 危なかったら直ぐに戻ってこい。



―137話了

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色々ありましたが総合的にプラスだった御堂君パーティ。

アクセルパーティはここからが本番ですね。

執筆頑張らないとです。戦闘描写難しい・・・・

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