駄菓子屋陰陽師

駄菓子屋の店主が、入ろうか迷っている子供を手招きする。子供は黒飴を買って、すぐに店を出た。

「退治しないのか」

店主から伸びる影がそう語る。

「まだいいじゃないか、式神」

可愛い盛りだ、と黒飴の代金代わりである葉っぱを弄んで、子供の後ろ姿を見た。


大きな狐の尾が嬉しそうに揺れている。

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