第5話 もとに戻ったおじいさん

 雪原にある温泉旅館にトナカイのソリは辿たどり着いた。


 チョメ郎がソリから降りるとムクムクと身長がびてもとのおじいさんに戻った。


「ありゃ? もとに戻ったわい。やれここは寒いのう。早く温まらんと風邪をひきそうじゃわい」


「チョメ郎。早く温泉にかろう。体を温めないとな!」


 サンタさんとおじいさんは旅館に入って行きました。

 旅館の中に入ると複数のサンタがいて、おじいさんに「チョメ郎」「チョメ郎じゃないか。元気だったか?」と声をかけました。

 

「ワシがチョメ郎だとなんで皆さんはわかるんじゃろうなあ」

 おじいさんが不思議に思っているとサンタさんが「眼差しはずっとチョメ郎のままだからな」と答えました。


「そうかな? なんかうれしゅうなるわい」


 おじいさんはサンタさんとまず暖炉の火にあたって体を暖めることにした。


「こうやってチョメ郎と過ごすのは何十年ぶりだろうか! さあ体を暖めなさい」おじいさんの足先に毛布をかけながらサンタさんが言いました。


「ワシ。ここに来た夢を見た様な気がするわい。この毛布の模様をなんとなくじゃが覚えとる…」


「ブランデーをわたしは飲むが、チョメ郎は風呂あがりのほうが良かろうな?」


「そうじゃな。キューっと来てあの世に行ったら困るからのぉ」とおじいさんは笑いました。


 つづく!

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