株式投資日記

村岡真介

ご挨拶

おはようございます!


この日記は株式投資と小説家になろうとする男の血と汗と涙の日記です。


ときどき毒を吐きます。嘘はつきませんが話を盛ることもたまーにあります笑


村岡真介こと僕の株式投資や電子書籍販売の裏話をぶちまける、うっぷん晴らしの場でもあります。


スイングトレードの必勝法もここでは暴露しています。


この日記は長いので、お勧めはずっとスクロールし最新の日記まで行き、なんエピソードか戻って読み始めてください。最新の情報をお届けできるかと思います。


それではお付き合いください。


スイングトレードの必勝法「上昇投資法」とは-僕が書いた小説「スイングトレード」から抜粋。


 勝山は咳払いをする。


「この板の上にオーバーが、下にはアンダーがあるだろう※。選ぶ銘柄はアンダーの厚みがオーバーの3倍以上の銘柄のみ。上昇中の10銘柄を選んだら人気セクターと照らし合わせると同時に、このオーバーとアンダーの厚みの差をみるんだよ。これがトレンドが崩れにくい銘柄を探す鍵となる。最後の営業秘密3だ」


 真剣な目で、勝山が俺の目を真っ直ぐに見て言った。


 俺はまだちんぷんかんぷんで勝山の説明を聞いている。オーバーとアンダーなんて気にもしなかった。勝山が説明し始める。


「通常、オーバーは売り指値、アンダーは買い指値なんだがアンダーが分厚いと、非常に下落しにくくなる。まあ逆流する時もあるが、基本的に負けにくくなるんだ。負けにくいとおのずから勝ちやすくなる。自明の理だ」


「根本的な質問をしていいですか。なぜ買い指値が多いと勝ちやすいんですか」


「勝ちやすいというより負けにくいと言った方が正解に近いかな」


 少し間をき勝山が頭をぐるぐる回して、考えをまとめているようだ。


「なぜオーバーよりもアンダーのほうが厚いと株価が上がりやすくなるのか。それは株式市場が『オークション方式』をとっているからだ。オークションなので、買いたい人が多い方が上がりやすいし、売りたい人が多ければ値崩れしやすいんだ。さらにこれは心理的な要因であると考えられる。アンダーがオーバーを上回ると、投資家が株価の上昇を期待していることを意味する。投資家が多くの指値注文を出すことで、株価の上昇を促進する。反対に、投資家が少ない場合、株価が下落する可能性が高くなる」


 勝山が続ける。


「総括するとあくまで傾向、可能性なんだが、やはりアンダーが厚い方が株価が上がりやすいバイアスが常にかかり続けることになるわけだ。オーバーやアンダーの指値は、期待感や不安感など投資家の心理を写す鏡のようなものなんだ」


「なるほど」


 とは答えたがまだ勝山の説明を消化しきれているわけではなかった。


「とにかくそれはじっくり考えます。とりあえずはアンダーが3倍以上なんですね」


「そうだ。理屈は分からなくても結果だけ知っていればいい。そのうちに自然と腑に落ちるだろう。これがいちばん大事な営業秘密だ。これを知っているかどうかで結果に雲泥の差が出る。忘れるなよ」


「はい」


「順序だてていってみろ」


「僕ならこうしますってのを言ってみますね。まず『上昇』の銘柄を上から一つ一つアンダー3倍株を探していって、見つけたらとりあえず証券コードと会社名をメモしていきます。これで30銘柄ほどをしぼります。次に人気セクターかどうかをチェックして選別します。そのあとチャートを確認し、真っ直ぐな上昇銘柄を選びます。そして業績欄を見て太陽マークの銘柄のみ選別します。最後に四季報をみて『増益』だの『増配』だのよさげなことをかいている銘柄だけを残します。これで3~5銘柄にまで絞りこめると思うんですが、どうでしょう」


 にやりとしながら勝山がうなずいた。


「よし。それでいい。ただし探すのは上から300銘柄まで。それ以上は追うな。マイナー過ぎる。もうひとつ。条件に当てはまる銘柄が3銘柄以上見つけられない場合は業績欄はゆずって曇りマークでもいい。アンダー3倍の方が優先順位は圧倒的に高い。たまにあるんだよ。全く見つけられない時が」


「分かりました」


 俺はノートに記す。


「上昇するかどうかの未来はチャートを見て予測し、下落しにくいかどうか、つまり『損傷利大』になるかどうかはアンダーの厚さで読む。これが両輪で、この投資法の骨格となる考え方だ。どちらが欠けてもいけない。相場全体が下落している時には損を最小限にし、逆に相場が上向けば一気に跳ねる。そうやって勝ちを積み重ねていくんだよ。損少利大になればな、勝率は5割でもいいんだ。着実にプラスを積み重ねていける。勝てる投資家ってのはな、博打を打たない。いかに損を極限にまで小さくできるか、これを最も重視する。すると勝てる時は流れにまかせておけば勝手に勝つもんだ。これがこの投資法の肝、いわば真髄だ。話の論点は見えてきたか」


 俺はノートにポイントを速書きしながら必死にメモをとる。


「じゃあ、業績欄はあまり気にしなくていいんですか」


 勝山はまたあごをさする。


「雨マークはだめだぞ。でもこれはスイングトレードだ。いま人気化しているかどうかを最も重視する。長期投資家とは全く考え方が違うんだよ」


「なるほど、人気化ですか。それがアンダーの厚みに現れると」


「そうだ、その銘柄のいろんなニュースや材料やステークホルダーの集合知がオーバーとアンダーの厚みの差に現れる。それをすくいとるだけでいい。PERやPBR、ROEなどの指標面など見なくてもいいわけさ。ああいった指標は中長期投資家が参考にする指標だからな。スイングトレードにはほとんど関係ない」


「だから『指標に頼るな』って言ったんですね」


「そういうことだ」


 勝山は話し終えたと見てコーラをごくごく飲み喉をうるおす。


「これで必勝法の中身は全部教えた。あとは慣れだ。来週の月曜日から実戦に入る。まあ金額は慣れるまで100万円の予算だが。金曜日の後場が終わってから5時までの2時間で、来週の5銘柄を選ぶんだ。これまで教えたすべての条件を満たす5銘柄をな。見つからなければ3銘柄でもいい。俺がチェックする。気合を入れていけよ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 勝山が俺の隣に座る。


「いいか、よく聞け森。テストも合格したし、来週から少しづつお前に預ける金額を大きくしていく。まずは1000万円だ。その前にある重大な秘術を教える」


「秘術?また大げさな」

 

「大げさじゃないよ、実戦のトレードテクニックだ。いままで訓練してきたのは基礎だ。今度はその応用。ノートを出しな」


 俺は言われた通りバッグからノートを取り出し、また席にもどる。


「日経平均株価が30年ぶりに最高値を更新しそうな勢いだろ。それを牽引しているのは半導体関連株だ。『時流』を読むんだ。応用編に入ったら『オフェンス株』を2銘柄と『ディフェンス株』を3銘柄に分けて5銘柄にするんだ」


「どう違いますのん」


「オフェンス株は半導体関連株を選んでリストアップしておけ。で、そのうちのアンダーとオーバーの差が3倍つけてなくてもいい。アンダーがオーバーを上回ってさえすればポートフォリオに組み入れろ。ディフェンス株は今まで通りアンダー3倍以上の銘柄で埋めるんだ。これで相場が沸き立っている時に時流に乗れる。さらに稼ぎが増すんだよ」


 勝山が真剣な顔になる。


「そのうち、半導体フィーバーも収まるだろう。次の時流はまちがいなくAI関連銘柄だ。これが次の牽引役となって日経平均株価を43000円まで押し上げるだろう。これも調べ倒しておけ」


「なるほど。分かりました。週末の宿題にしておきます。半導体関連銘柄とAI関連銘柄を徹底的に吟味しておきます」


 勝山はにこりとする。


「それでいい。任せたぞ」

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