2

数日後、部活動見学が行われた。

校則で必ず部活に入らないといけないらしい。

帰宅部になる気でいた私からしたらハッキリ言って面倒だ。

幽霊部員でいいと言ってくれる部活を探していた。

すると校舎の1番端、

なんの部屋なのかわからないくらい薄暗く、

気味が悪い部屋にも表札がかかっていた。

「なんの部屋だろう…」

?「あれ?この前の。」

「あ…」

後ろから話しかけてきたのは「わたぬき」さんだった。

狸「うちの部活に興味ある感じ?」

「いえ…なんの教室だろうと見ていただけで…」

狸「歓迎歓迎!見て行ってよ!」

「え?私は…」

狸「みんな、来たよ。」

強制的に教室の中に入れられた。

中には眼鏡をかけていてすぐに骨が折れてしまいそうな細身の人と

対照的に丸みを帯びていて食事が好きそうな人がいた。

後者の人に関してはなにかわからないものをモグモグしている。

犬「来たんだ今年は。」

猫「去年はいなかったもんね。」

「あの…ここって何部ですか…?」

猫「あ、知らないできた感じ?ここは問題解決相談部、通称裏社部。内容と言ったら…学校で起きてる問題解決とかかな。月に2回しか集まってないよ。」

「裏社部…」

狸「部員は今3人。犬塚と猫田と俺ね。」

細身の人が犬塚さんで丸い人が猫田さんらしい。

「わたぬきってどう書くんですか?」

狸「和風の和に狸。」

「あ…ガチたぬき…」

犬「で、キミは?名前なんて言うの?」

「あ、狐﨑日向です。」

猫「きつねじゃん。」

狸「動物部にする?w」

猫「いやいやw動物部にしたら鳥が大量発生するよw」

狸「確かにw」

この短い間で愉快な人だって事はわかった。

そしてこの部が1番帰宅部に近いってことも。

猫「元々天文部だったんだけど、いろんな問題で廃部になっちゃって。で、この部活をたちあげたって感じね。」

天文部なんてあったんだ。今もあったら入ってたな。

犬「で、狐﨑さんは入る?うちの部活。」

「入ります。自分の条件に当てはまっているので。」

狸「条件って…」

「部活日数が少なくてほぼ帰宅部の部活です。」

狸「確かにwうちの部は条件通りだw」

猫「じゃ、よろしくね。」

この部活に入った時から私の考えは変わり始めていたのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る