第五回 禁句魔法

 クケェェェェェッッ!!


 ……あ、すみません。見苦しい所を。


 茶寓です。「教えて、茶寓さん!」も、最終回ですね。

 いやぁ、あっという間でした。


 最後は、忌々しい『禁句魔法』について説明しますよ。


 本編では、一部しか話せなかったですねぇ。どれほど危険な存在なのかを、最後に知ってもらいたいです。


 全部で三つあります。実は、『応用魔法』に分類されます。言い換えると、誰でも出来るとなります。

 もちろん、こんな危険なモノを教える場所なんて、どこにもありません。学校でも、最低限の知識を教えるだけです。


 では、どうしてやる人が出て来るのか。あるあるですが、欲にまみれてしまった……と言ったら、冗談のようですかね。ですがこれも、本当の理由に入ります。

 真面目に言うと、魂が絶望に染まった時にできるようになる、と言われています。ナイトメアは、古代の魂たちの憎悪が具現化した存在。出来るのも当然と、言ってしまっても良いのかもしれない。


 長い前置きで、申し訳ございません。

 さぁさぁ、一個ずつ見て行きましょうか。



 肉体融合魔法


 二体以上の生物の肉体や魔力を、一つに融合させる魔法です。

 あぁ、恐ろしい。他人の血肉が流れ込んできてしまったら、魔力の制御が不可能になります。最終的には自我を失い、異形の生物になるでしょう。

 つまり、シニミのことですね。ナイトメアはこの魔法を使い、奴らを強力にしているのです。

 融合された肉体の数が多いほど、魔力量も強力になり知能も発達します。そして、自由自在に身体をいじれる。

 この世界のどこかに、人間として溶け込んでいる存在がいてもおかしくない、ということです。もしかしたら、MBHの可能性も。



 忘却魔法


 記憶を抹消する魔法です。

 私のソウルは『記憶』ですが、消すことはできません。都合の良いように記憶をいじくれたら、犯罪し放題になってしまう。一生逃亡生活が、可能になってしまうんですよ。それ故に、禁句魔法と認定されてます。

 これは国際世界警察署が、一番警戒している魔法でもあります。本当の罪人を捕まえられない可能性が、一気に加速しますからね。


 それにしても、私も食らっていたとは……英雄さんと勇者さんの存在を抹消させるために、ナイトメアは八人の団長全員にもかけた。

 先に奴が復活してしまったら、彼らはまた手下となってしまうのだろう。私のソウルで、記憶を取り戻すことはできるだろうか……?


 ……すみません、独り言を言ってしまいましたね。


 では、次が最後です。



 分魂魔法


 別名は、『世界一絶望に近い魔法』です。簡単に言うと、自身の魂を分裂させる魔法。たとえ本体を叩いても、他のどこかに分けた魂が生きている限り、その人は死にません。

 勇者さん曰く、ナイトメアは本体も含めて十三個に分かれている。逆に言えば、どこかにいる十二個を叩けば、弱体した状態で復活する、という考えです。しかし、すべての元凶の分身であるシニミ。奴らもまた、とてつもなく強いのでしょう。


 千道くんは凄いです。こんなに恐ろしい奴に、立ち向かおうとしているなんて。彼の姿は、あの二人に似ている部分があります。


 私も、全力を出しますよ~! 団長たちの記憶を取り戻すために、できることをやってみます。



 それでは、「教えて、茶寓さん!」を見て頂き、ありがとうございました。

 『Ⅰ』でも、開催するかもしれません。


 それまで、お元気で。茶寓でした。


――――――――


 これにて、本当の本当に完結です。ありがとうございました。


 また『Ⅰ』でお会いしましょう。


 よろしければ、『0』の番外編もどうぞ。ギャグ(多分)です。

 https://kakuyomu.jp/works/16818093084615001758

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