ヤブ医者は元々は褒め言葉だった


ヤブ医者という言葉は、江戸時代に「藪(やぶ)の医者」と呼ばれていたことに由来します。藪の医者とは、町医者や村医者など、正式な医師の資格を持たない医師のことを指していました。


当時の日本では、医師の資格制度が整っておらず、誰でも医者を名乗ることができたのです。そのため、藪の医者の中にも、優れた腕を持つ医師が多くいました。


藪の医者たちは、患者の話をよく聞き、その人に合った治療を施すことで、高い治療効果を上げていました。また、患者の経済的な状況にも配慮し、安価な治療を提供することで、人々に信頼されていました。


そのため、藪の医者たちは、町の人々から「藪の医者で治った」と、褒め言葉として使われるようになったのです。

(諸説あります)


しかし、明治時代になると、医師の資格制度が整い、藪の医者たちは徐々に姿を消していきました。その結果、ヤブ医者は「無資格で不衛生な医療を行う医者」という意味で、貶めの言葉として使われるようになりました。


このように、ヤブ医者という言葉は、時代とともに意味が変化してきたのです。

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