知らずに認識が偏ってしまう『バイアス』とは?


人間のバイアスとは、物事を判断するときに、合理的でない思考の偏りや先入観が働くことです。

心理学では、認知バイアスと呼ばれる概念で、さまざまな種類があります。

認知バイアスは、自分や他人の行動や性格を正しく評価できないだけでなく、意思決定や問題解決にも悪影響を与える可能性があります。

認知バイアスを知ることで、自分の思考の癖や盲点に気づき、より客観的な視点を持つことができます。


ここでは、日常生活においてよく見られる認知バイアスの主なものを紹介します。

それぞれに簡単な解説と具体例を添えています。


ハロー効果

ある特定の特徴や印象によって、全体的な評価が影響されることです。例えば、見た目が良い人は性格も良いと思い込んだり、有名なブランドの商品は品質も高いと信じたりする場合です。


アンカリング効果

最初に提示された情報や数値に引きずられて、その後の判断が歪められることです。例えば、値引き前の価格が高いと、値引き後の価格が安く感じたり、他人の意見が先に聞こえると、自分の意見が変わったりする場合です。


コンコルド効果

すでに投資した時間や労力、お金などを無駄にしたくないという思いから、合理的でない選択を続けることです。例えば、面白くない本や映画を最後まで読んだり見たりしたり、ダメな恋人と別れられなかったりする場合です。


バンドワゴン効果

多数派や流行に従って自分の意見や行動を変えることです。例えば、SNSで話題になっている商品やサービスを購入したり利用したりしたり、友人や家族の影響で政治的な立場を変えたりする場合です。


確証バイアス

自分の仮説や信念に合致する情報だけを探したり重視したりすることです。例えば、血液型や星座で性格を判断したり、雨女や雨男だと思い込んだりする場合です。


内集団バイアス

自分が属するグループやカテゴリーを好意的に評価し、他のグループやカテゴリーを否定的に評価することです。例えば、自分の国や地域、学校や職場、趣味や嗜好などに対して偏った態度を取ったりする場合です。


ピーク・エンドの法則

ある経験全体ではなく、その最高点(ピーク)と最終点(エンド)だけで記憶や感情が決まることです。例えば、旅行やレストラン、映画などの楽しい体験や、痛みや苦痛などの不快な体験において、この法則が働きます。


後知恵バイアス

事後に結果が分かったときに、その結果が予測可能だったと思い込むことです。例えば、スポーツや株式などの結果が出た後に、「やっぱりそうなると思った」と言ったりする場合です。


以上が、人間のバイアスの主なものと簡単な解説です。

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