ウラヤマザウルス

小学生の頃、コウキ君が裏山で大きな恐竜を見たと興奮しながら話していた。

最初は信じられなかったけど、コウキ君が目と鼻の穴を大きく開き、汗をかきながら話す姿を見ていく内にみんな信じていった。

コウキ君しか見たことが無かったけど、クラスでは『ウラヤマザウルス』という名前で盛り上がった。


ウラヤマザウルスの噂はコウキ君以外の生徒も話し始め、塾で流行り違う学校に広まり、ついには新聞の小さな記事になるまで有名になった。


数日後コウキ君がいなくなった。

ウラヤマザウルスを探しに毎日のように裏山に行っていたらしい。

沢山の大人が裏山でコウキ君を探したが見つからなかった。


その日からウラヤマザウルスの話しは落ち着いていき一週間程度で誰も話さなくなった。


この話を思い出したのは、最近その裏山で恐竜の化石が見つかったからだ。

記事によるとその恐竜の化石と一緒に三葉虫の化石も見つかったらしい。

その三葉虫は珍しい姿のようで子供サイズのサンダルに似ていたそうだ。

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