第19話 クソだが、最悪よりはマシな選択肢
咳払い。
あからさまな仕草で態度を改めた
「なあ、
「……」
フランクでありながら、決して礼節を失うほどではない完璧な物腰。
さすがに
「仲間になるってことか? い~じゃん! それ、すっごくい~ね。はい、決まり!」
「ちょっと待て、
アル中のくせして、ずいぶんと頭がよく回る。
ましてや、その装備が竹槍に木刀とあっては、貧弱な武具であることを露呈するだけで、およそメリットと呼ぶべきものがなかった。
「……。
言って、
さて困ったのは⑤班の面々である。
本当のことを打ち明けるべきなのかと、
だが、実情を言わなければ、状況が好転することは決してないだろう。ほかに考える選択肢なぞなかった。
まもなく、
「……なくなっていたんだ。パースに来て翌日、俺が落下地点に戻った時には、すでにダッフルバッグがその場から消えていた」
「はっ。じゃあ、何か? お前たちは今の今まで、素手で生活していたってのか」
鼻で笑うように吹きだす
「
「マジか~。⑤班やるな~。俺なら絶望しかけているかも。別に武器くらいよくね~? ないなら、仕方ね~し。
「ふざけんな、
「だって、あいつは同じ班の仲間っしょ?」
あっけらかんと
そんな姿の班員に対して、疎むような視線を送っていた
「……。いずれにしろ、俺たちが武器を分けることはねえよ」
「待ってくれ、チームの人数が増えることは、全員の生存に役立つはずだろう? なにもそれは、俺たちだけが得をするわけじゃない」
慌てて
だが、向こうの対応は、無論すげないままだ。
「かもな。だが、俺たちに、お前らが本当に武器をなくしたかどうかなんて、確かめられねえだろう? 隠しているだけかもしれねえじゃねえか」
「ふざけないで。装備があるなら、手ぶらでこんなところにまで、のこのことやって来るわけないでしょう? 私たちが靄から逃げるために、バラバラに別れたのを忘れたの?」
近所をふらっと散歩するような気軽さで、うろちょろできるほどにパースの環境は生易しくない。うっかり鉢合わせないほど、お互いに距離を取ったのだ。他班との接触は難化するのだから、武具を有しているのであれば、必ず持って出歩いているだろう。
「……じゃあ仮に、俺たちが武器を⑤班に融通するとして、お前らは何を見返りとして渡してくれるんだ? あん?」
そら来た。
事前に対策を取っておいてよかったと、
「情報だな。俺たちがこれまでに遭遇して来た、危険な植物や昆虫についての話ができる」
「はっ、馬鹿か? 手ぶらのお前らで対処できたクゾザコ生物に、いったいどんな注意が必要だってんだよ。おまけにたかだが数種だろう? 話にならん。お前らにできるのは、俺たちの仲間になることじゃねえ。
理路整然とした反駁に、
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