ドラゴンボール3 悟空伝(バンダイ・1989年)

 プレイ時期:1990年ごろ

 ソフト入手:親に買ってもらう?

 クリア状況:エンディングまで

 おすすめ度:★★


 *


 どういう経緯で入手したのかは覚えていない。弟が親に買ってもらったような気がするが、親戚からもらったような気もする。原作は『Z』でナメック星に行ったあたりからアニメを見始めて、後に再放送で無印版を頭から見ることになる(確か週5回放送で、小学校を卒業するまでに3周くらいしてた気がする)。


 典型的な「子供の頃はクリアできなかったゲーム」である。まずパスワードが異様に長く複雑で、戦闘バランスも厳しい。しかもゲームオーバーになったらタイトル画面に戻され、パスワードを入力しないとコンティニューすらできない(そのため、中断時以外でもパスワードをこまめにメモする必要がある!)。


 戦闘は、お互いのカードの数値を比べて星の数が多いほうが攻撃できるというシステム。ある意味では乱数を可視化しているようなものかも知れないが、星の数を操作できるわけではないので運が悪いと一方的に攻撃を受け続ける。カードの星は移動画面でも行動力になるので、少ない星のカードを消費するためにこまめに移動すると戦闘の頻度が上がる仕組みになっている。


 戦闘画面は漫画のコマを再現したようなグラフィックで、さらに結構動く。これは当時のファミコンソフトとしてはかなり頑張っている部類だと思う。元になったコマを探したりすることでも楽しめそうである。


 問題点として、とにかく悟空が弱い。そのへんの牛や山賊にも苦戦するし、ウサギ団のマシンガンを食らったりしたら即死である。そのため、序盤だけプレイして放り出すということが多かった。後に「カセット半差しでいきなりエンディング→隠しボスのアラレちゃんやラディッツと戦える」というひどい裏技を知って遊んだりしたが、まともにクリアしたのは2000年くらいになってからだったと思う。当然、携帯電話でパスワード画面を撮影できるようになってからである。


 後に「スピードを最優先で上げると強い」(レベルアップ時はパラメータを任意に配分できる)という情報を知り、改めてプレイしてみる。確かに雑魚戦では攻守ともに非常に強くなり、あのウサギ団にも簡単に勝てるようになったのだが、ボス戦ではそうはいかない。どうやら「ボスのパラメータは悟空のものがベースになるのでパラメータの違いが実質意味をなさなくなる」ということらしい。


 なるほど、ボスの前ではステータス配分が無意味になるからこそ、適当でもクリアすることはできたというわけか。しかし逆に言えばどれだけ育てても同じということであり、実際にシステムを理解しながらプレイしてもボス戦は安定しない。とはいえ雑魚戦では早い段階からほぼ無敵になるので難易度は大きく下がるのであるが。


 評価できるのは、ストーリーの流れがおおむね原作に忠実なこと(山賊の砦とかのオリジナル要素はあるが)。タイトルロゴはアニメの『ドラゴンボールZ』風だが、ストーリーは『Z』の直前である「天下一武道会のマジュニア(ピッコロ)戦」がラスト。前述のようにエンディングでは隠しボスとしてラディッツと戦える。なんと作中最強の敵がラディッツという、世にも珍しいゲームとなっている。


 まあ原作と同じ話なんだったら原作を読めばいいので、今から敢えてこのゲームをプレイするのは全く勧めない。それでもドラゴンボールのファミコンソフトとしては、前作・前々作より遥かにマシという話だから恐ろしいものである。

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