ウィザードリィ2 リルガミンの遺産(アスキー・1988年)
プレイ時期:2002年ごろ
ソフト入手:中古で2000円くらいで購入
クリア状況:エンディング及びアイテムコンプ
おすすめ度:★★★★
*
前作が面白かったのと、キャラクター転生というのを試してみたくなり、あちこちを探してターボファイルと同時に購入。
先に書いておくが、おすすめ度の星は「ターボファイルによる前作からのキャラ転生」を前提にしたものである。これの有無でゲーム性は全く変わってしまう。キャラを転生させるとレベルは1になるが能力は(最大値18のうち)15ポイントまで引き継がれ、上級職もそのまま使える。このことはゲーム性に極めて大きな影響を与えている。
まず即戦力のキャラを量産できるようになる。転生元のキャラはいなくならないので、いくらでも兄弟を増やせるのだ(あくまでも「子孫を連れてくる」なので、コピーによる増殖とは異なり、世界設定上でも適切な行為。ただし2人目以降を転生させるには名前を変える必要がある)、序盤ブーストはもちろん、全滅したパーティを速やかに再構築できるのは、前作と比較して全く新しい感覚だった。
本作は性格の善悪で入れるフロアが変わるので、多くのキャラが必要となる(まあ僧侶以外は中立で固めるのが鉄板とはいえ)。だからこそ転生システムが生きる。兄弟を敢えて別の性格にしてみたりするのも想像力を掻き立てて面白い。
また、忍者が強い。忍者そのものが強いというよりは、(前作の時点で育てておけば)最序盤から連れ回せることで「攻撃回数+1ボーナス」の恩恵が強力に実感できるのである。前作では作れるようになった時点では役立たずという印象だったので、ようやく日の目を見たと言ったところか。
イベントアイテムとして実用的な装飾品が無限に入手できるのも、即戦力構築に大きく貢献している。特に聖水は装備してよし(毒状態無効&毒属性ブレス半減&対アンデッド物理攻撃抑制)、使ってよし(わずかな破損率でHP回復)、売って良しと三拍子揃った逸品で、これを上手に使えば僧侶系抜きのオール中立でもクリアできそうである(やろうと思ったが結局やらなかった)。ドレインを無効化する大地の杖を量産できるのも非常にありがたい。
後にリルガミンサーガをやって気づいたのだが、このゲームにはせっかく四大元素のアイテムが存在するのに、オリジナル版では「聖水」以外にイベントでの用途はなかったのである。ファミコン版では全て通過に必要になった(文字入力式のリドルの代替)のだが、むしろこちらのほうが本来の仕様かと思ってしまった。
このゲームにはラスボスはおらず、クリアアイテムは持ち帰るたびに莫大な経験値がパーティ内外に与えられる。これが面白くて何度もマラソンしてレベルを上げ、最終的にはLv50オーバーの忍者に蝶のナイフ(使用前)を装備させて数千ダメージを出して遊んでたりした(本来は0のはずの攻撃力が256として扱われる。文字通り桁違いの威力で、一瞬処理落ちするのが面白いんだ)。
このような遊び方はかなり大味で、正統派ウィザードリィファンからは邪道だとも言われそうだが、前作で苦労したプレイヤーのカタルシス発散としては非常に面白かった。それに、決して簡単すぎるというわけではないのだ。
ターボファイル込みで今から遊ぶのはなかなかハードルが高いのだが、機会があればぜひ前作とセットで遊んでほしいゲームである。
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