闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光(データイースト・1987年)

 プレイ時期:2000年ごろ

 ソフト入手:親戚にもらう

 クリア状況:エンディングまで

 おすすめ度:★★


 *


 記憶が確かならば、前回のミッキーマウスと同時にもらったはず。当初は癖の強いシステムや難易度ですぐに投げてしまったのだが、後に『ファミコン小市民』という個人サイトで特集されていたのに興味を持ってプレイを開始。大まかな「ネット民の意見」ではなく、個人によるプレゼンを見てプレイを決断するというのは個人的には割と珍しいケース。まして当時は動画などもなく、文章と画像の説明のみだったのだが、それでも強く興味を持ったのだ。


 ドラクエ1のようなパーティ制ではない一人旅は、当時としても古かったようだ。本作の独自性は、装備品の使用回数制と、当時としては非常に珍しかった「対モンスターの武器の相性」というシステム。例えば空を飛ぶ敵には弓矢でないとまともにダメージを与えられないといった具合。


 通常攻撃にすら回数があるという概念は、後の例だがゲームボーイの『SaGa』や『ポケットモンスター』を連想した。さらに相性の概念があり、装備変更のために1ターンを費やす必要があるのはポケモンの入れ替えシステムに似たプレイ感覚だった。被弾するのは主人公のみなので違うと言えば違うのだが。他にも町とフィールドがシームレスなのもポケモンやMOTHERっぽい。


 ゲームバランスは粗削りで、たまに場違いな強敵が出てきたり、経験値が強さに見合ってなかったりするのだが、ひたすら平坦なバランスで終盤が単調になってしまうファミコン版ドラクエ1よりやっていて楽しかったような気がする。いくらなんでも買いかぶり過ぎかも知れないが。


 20年前にプレイしたきりなのであまり覚えていないのだが、ファミコン小市民さんのプレゼンのおかげか、最初に覚悟していたよりは普通に楽しめたような気がする。ストーリーはギリシャ神話を参考にしつつもハデスをラスボスに持ってくるトンデモぶりなのだが。


 あえて今から遊ぶべきかどうかはかなり際どいのだが、RPGの歴史を踏まえた上でプレイすると、時代の割に先進的なシステムが散見されてなかなか面白い。トリビア的に「それってヘラクレスの栄光のほうが先にやってたよ」と主張できるような要素は、意外と多かったりするのである。

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