光
ひろしは生きることを望んでいる。少し前までは死にたいと思っていた。生きたい人などこの世にはいないと思っていた。中学生がいじめを苦に自殺したニュースでコメンテーターが「自殺はしてはいけないことだ」と言っていたが、それは案に"この世にいるくらいなら死んだ方がマシ"と思っているからだろう。自分の人生に若くして終止符を打ったその中学生が羨ましいのだろうと。そんな世界に居続けたくないと思っていた。だが、最近自分が"生きたがっている"ことに気づき始めていた。人生は楽しいものである。否、人生は楽しまなきゃ負けであるという世の中に屈して半ば強迫的に人生を楽しもうとしていたが、どうやら普通人生はしんどいものであるということに気づいたのだ。人生はしんどいのにそれでもなお自分は生きたがっているのだ。そんな自分に気づいたひろしはこの"普通人生はしんどいものである。だがそれでも自分は生きたいと思ってしまう"ことに光を感じ始めていた。
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