第7話 邪神エイジザマァ

 チャーーーーンス!!!!


 この一瞬の女神が作ってくれた機会を俺は逃さない。そーーら。くたばれっ。エイジ!!!!!


 俺はそのとき、魂の力を精一杯込めたっっつー。


 俺は飛べるっ。地べたに縛られていた俺は絶対に飛べるんだっ。


 そして!!!!


 俺は力いっぱい魂に力を込めて、巨大なエイジに向かってぎゅうううううううううううんと、思い切り飛んで行ったぜーーーー!!!!


 目指すは巨大なエイジの、巨大な眼球!!!!


 その一点に力いっぱいのコブシをぶつけてやるぜーーーーーーーーーーー!!


 そのとき巨大なエイジの眼球が見えたっ。


 まるで間近で見る黒い太陽みたいな巨大な眼球だぜっ!!! ここがアタックポイントっ!!!!


「うおおおおおおおおおおおお。くたばれ、エイジぃーーーーーー! てめえに神の資格はねえんだよお。おらーーーーーーーーーーーー!!!!!」


 俺はありったけの怒りと、ザマァをこめてエイジの眼球にコブシをぶち込んだっ。


 とてつもない巨大な眼球。それは、まるで、アリと黒い空みたいな大きさの違いがあるっつー。それはまるで巨大な宇宙の黒い皿。


 そんなものは攻撃しても効かないと思うだろ? だが!!!!


 おらーーーーーーーーーーー!!!


 くらぇえええええええええええええええええ!!!!! パーーーンチ!!!


 どっこおおおぉーーーーーーーーーーーーーー!!!


「おやっ?」


 エイジは一瞬、目の前に来たプランクトンよりも小さい俺に固まって、そして、次の瞬間、そのコンマの大きさの俺が繰り出したパンチの衝撃を受けて、絶叫を上げた。


「ぐあぁあああぎゃあああああああああああああああああああああああああ」


 空間に響き渡るエイジの絶叫っ。


 それだけで俺は吹き飛ばされて、地面にぶっとばされたっつー。


 俺は衝撃で地面の上をぐるぐると転げまわって、しばらくしてやっと止まったジャン。


 ズザァアアアアアアアアアア!!!!


 それから上空のエイジを見上げたジャン。


 おおおお。エイジのヤツ、痛みで上空で絶叫を上げて、ぐちゃぐちゃに転げまわってるっつー。


「ひぎぃいいいいいい、ひぎぃいいいいい、ぎゃあああがああああ、ひぎいぃいい」


 へっへーーい。それはアリが像を倒す一撃っつー。一寸法師の時代からの人類の絵本の知恵だぜっ。


 眼球を痛覚点を刺す痛みは死ぬほどの激痛が走るっ。そこをピンポイントで、全力のコブシでぶちぬいてやったぜーーーーーーーーー!!!


 だーーーが、まだまだ。まだまだ。これからだっつー。


 これからは女神たちの出番だ!!!!


 俺は地面から大声で言ったぜーーーーーーーーーー!!! 絶対無敵を倒すワークフロー。


「女神聞くっつぅぅううううーーーー!!!!! 今エイジは傷みで力が出せないジャン!!!! だから、ここで封じられてる主神を呼び出すじゃん!!!! それで最高神の力を使って、エイジの力を奪いとれぇえええええーーーー!!!! 」


 女神たちが一斉に俺を振り返って、それからハッとしてすぐに全員が動いたっつー。


「さすがね。サンコ。あなたはできる男よ」「やりましょう。みんなの力をあわせて」「やるジャン。サンコ。行くわ」「わらわの全力の力で主神を」「拙者の意志のすべてをこめて」「みんな、今こそ力をあわせましょう」「僕らにはできるっ」「……ッ」「……主神の復活は目標設定できる…。私の役割」「サンコ。やるねえ。アタシにまかせな」「あなたの分析に間違いはないわ。主神…よぶわ」「うふふふふ。ザマァのときよ」「くくく…呪うわ」「主神を呼びマス。呼び出しまで2秒デス」


 女神は一瞬で円形に空中で陣を敷いて集まって動くぜっーーーーー。


 それは最高神招来の陣っ。


 14色の女神が光のオーラを宇宙を貫くように上げて、円形で翼をはためかせながら、招来の陣を作り上げたジャン。


「「「「「「おおおおおおおお。さあ、エイジよっ。神格を堕としなさいっ。主神ブドクトルよっ。我らに力をっ。今、ここに出現しっ、邪神エイジの力を奪うために降臨くださいッッッ。主神ブドクトル招来ッッッ!!!!!」」」」」」」


 そのとき、14色の光が入り混じって、くるくる回りながら、どこまでも光の螺旋と、回転が掛かった光の光車がぐるぐると回ったジャン。


 そして、それは太陽と同じ色の光になってαの文字を描き出したっーー!!!


 そして、αからまばゆい光と、激しい音。


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン


 やったっジャン。


 出た出たじゃーーーーーん。イエーーーーーイ。主神登場ぉーーーーーーー!!


 富士山よりも巨大なトーガを着た第2天界アルファポリスの主神ブドクトルがそこに出現したっつーーーーーーー!!! ラッキー。


 主神ブドクトルは巨岩の大地を割ってメキメキと14色の色を放ちながら地獄の底から現れたっつー。


 ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


 マグニチュード9.1の地震がそのとき、地獄世界を包んだっつー。


 主神ブドクトルすげーーーーーー!!! 大声で叫んだっつー。


「ぬぉおおおおおおおおおお。よくぞわしの封印を解いた。14天使女神よ。さああああああ、よくもやってくれたなあ。エイジぃっ。貴様の1億年に渡る罪科が、わしの呪縛の鎖によって貴様を縛る永遠の呪縛となるわ。今、食らうがいいいい。神力封印ガンズゥーーーーーーーンロウ!!! おおおおおおおおおおおおおおお」


 ムキムキの老人の主神は大きな鎖を自分よりも巨大なエイジの腕をミチミチしならせながら、ごおおおおおおおおおおおと投げつけたっつー。


 ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリィィ!!!


 おお!すげえジャン!!!


 鎖は主神の手を離れると、みるみる巨大化してエイジの腕に絡みつくジャン!


 ガーーーーーーッキン!!!


 目玉を抑えて地上に落ちてザマァしてたエイジが、ムチャクチャに暴れたっつー。


「があああああああっ。邪魔だああああああ。僕の邪魔をするなあああああぉ、くたばりぞこないの元主神のじじいがああああああああああ。ごおおおおああああああぐああああああぎゃあああああ」


 ギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチィ


 エイジは暴れるけど、主神ブドクトルの鎖は離せないでぇえええ。


 チャーーーンス!


 俺は走りながら、巨大なエイジの元に高速で走って行くぜーーーーーっ!


 へっへーーーい。さっすが主神ブドクトル。


 神の呪縛の鎖に右手をからめとられたエイジが抗って暴れるが無駄だっつー。主神すげえジャン。徐々に呪縛の鎖がエイジの右手から全身に絡まって行くっ。その度に、神の力を取り戻した主神の体がじわじわ巨大になってくっつー。


 おっ、


 それだけじゃねえぜっ。


 徐々に巨大すぎるエイジの体が徐々に小さくなって行くジャン。すげーーーーっ。


 これはやったりーーーーーー!!!


 透明の翼の天使女神が言ったっつーーー!


「解析……エイジの持つ神力を今、ブドクトルさまが奪っている……。神力は無形のプラーナの力。変換には、神力を固形化し、流体にした後に、巨大な神力で引き込む必要がある………。ガンズンロウは固形流体化の鎖………。主神ブドクトルさまは、まずエイジの腕から神力を腕力で奪い取り、徐々にそれ拡大化して、エイジを小さく、自らを大きくして行った………自己決定」


 なんか、透明の女神の言うことは難しいっつー。ただ、要するに鎖の力で縛り付けて、エイジから力を奪って、エイジをちっちゃくして、ブドクトルさまは大きくなったっつーことか?


 俺が走り込んで行くと、エイジは徐々に、日本列島の大きさから、北海道の大きさ、それから、九州の大きさ、富士山の大きさぐらいまで縮んで行ったっつー。


 おっ、お手頃なサイズに近づいてきたジャン!! これなら、俺でもさらにやれるっ!!! 絶対ザマァを叩きこめるっつー。ラッキー。


「ぎゃあぁああああがごおおおおおおおぅ」


 鎖にがんじがらめのエイジは叫んで暴れるジャンっ。


 おーーっ。やべっつーー。でかっ。でも、縮んでるっ。


 今や、ブドクトルさまと、エイジの大きさは同じジャン。主神ブドクトルさまが鎖をミチミチさせて筋肉で振り回しながら、飛んでいたエイジを地面に鎖を振りまいてブチ落とす。


 ズドォオオオオオーーーーーーーーンンン


 ブドクトルさまはエイジを鎖でミチミチに縛りながら俺に向かって叫んだジャンっ。


「ぐおあおおおおおおあああッ。今じゃっサンコよお! ぐぅううう、天使女神よお。エイジの体は完全に地面に拘束したぞお。おおおらああああっ。一挙にエイジを追い詰めて攻撃せえええええええっ」


 さあーーーーーー。仕上げのショウターーーイム!!!


 そこで、俺と14人の女神たちは全員で飛んで、エイジをぼこぼこにしたっつー。


 まずは銅の女神が作戦指揮を執るっつー。銅の女神は作戦司令官か?


「さあ、作戦よ。バラバラに攻撃しないで、みんなで結集して動く。ツーマンセルの動きで二人で動いて、疲れが出たらチーム交代。銀・緑・桃・黄は全体の作戦フォロー。エイジの体が小さくなれば必然全委任で一気に攻撃できるようになる。がんばりましょう。作戦指示は私が行う。桃が全体の連絡フォロー。紫から始める」


「………私が戦闘情報を集める……自己決定」


 徐々に小さくなっていくエイジに、まずは透明な女神が分析した情報を、銅の女神が解析し、桃の女神が全体に伝える。指示を受けた紫の女神が電磁波でかく乱。金の女神が鼻面に錫杖を刺して、オレンジの女神が刀でエイジの片目を狙ってぶった切る。赤の女神がそこに突っ込んで来て、後頭部を切りつけ、白の女神が振り向いたエイジをかく乱して左右に飛び、その隙を狙って側頭部を飛んで青の女神がネリチャギから双剣で斬り。倒れた黒の女神がエイジを挑発して起こし、そこを灰色の女神が背中にクイを刺す。そんな感じの戦いを永遠と繰り返しループ。銀と緑の女神はリュートとギターでみんなの戦闘力を強化し、黄色の女神はみんなの傷を癒し激励したっ。


 すげえジャン。ナイスコンビネーション!!!


 そのとき、ブドクトルさまがついにさらに巨大になって、エイジが静岡県くらいの大きさになったところを、大きな腕でエイジを掴んで、ぐしゃんと地面に潰したっ。


 ぐしゃんっ


「ぎゃあぁああああがごおおおおおおおぅ………うぅ…ぅぅ」


 その途端、エイジの体が一気に縮んで、10メートルくらいになったジャン!!


 へっへーーーい。そこでついに俺にザマァチャンス到来大回転!!!!


 女神たちとブドクトル様によって小さくなった、ボロボロになって人間の大きさに近づいたエイジが俺の前によろよろ転がり込んできたっつー。俺は全力で突っ込んで行くジャーーーーーーン!


 いったれぇーーーーーーーーーーーー!!


 ダダダダダダ。それから目を剥いて俺の出現に驚くエイジに言ったジャン!


「さあ、ザマァの時間ジャン! 死んであの世で三顧しなぁあああ。くらうジャーーーーン!」


 さあ、今こそ修行の成果を徹底的に見せてやろう。


 俺は拳をギリリと握りこんで、それをエイジに向かって思い切りぶちかました。


 ジャブだ! フックだ! パンチだ! ボディーブローだ!


「ごぶっ。ぐふっ。ごぼっ。ぎゃふ」


 ジャブだ! フックだ! パンチだ! ボディーブローだ!


「げあっ。ごむっ。ぐぼっ。がゃば」


 ジャブだ! フックだ! パンチだ! ボディーブローだ!


「ずぶっ。ぐふっ。がぼっ。ぎゃぼ」


 おらああああああああああ。


 まだまだ! まだまだ! 100烈パンチじゃーーーーん!


 ジャブジャブ!「うびゃあぁ!?」フックフック!「げぶっ」ボディブロー!ボディブロー!「ッごじゃ」パンチ!パンチ!「ッッげぼっ」フック!ジャブ。ワンツーワンツー!ジャブジャブ!「…ごるぶ。ごばっ。ぎゃあぶっ。ストレート!ストレート!フック!ボディブロー!ボディブロー!


「ぐぼおお。があああ…ひぎ・・・ぐご・・・あああ・・・ぐあっ」


「………サンコ。エイジが一番小さくなるのはおよそ30秒後……そのとき決めて……自己決定」


 エイジがそのとき、徐々に小さくなって行き、顔面を俺、ぼこぼこに数限りなく打たれ、鼻血を出しながら俺の攻撃を好き放題に受けたジャーーーーン。


 そこで、俺はありったけのコブシを徹底的にエイジに向かってぶっこんだ!!!


 パンチ!

 パンチ! パンチ!

  パンチ!

 おらおらっ くらえっ

 パンチ!  パンチ!  パンチ!

  パンチ!  パンチ!  パンチ!

 くたばれっ 死ねっ くらえっ

 パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!ボコ! ボコ! ボコボコ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ! しねっ パンチだっ ボコ ボコ

パンチ!パンチ!パンチ! ボコ! 死ねっ ボコ! くらえパンチ!パンチ!おらおらっ ボコボコ! パンチ!パンチ!くらえ おらおらっ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!


「うごおお……おおお……おおわぁあ………あああああ………あああああ………あああああ………あああああ………あああああ………あああああ」


 最後に人間の大きさまでになったエイジを俺がアッパー!!!


 ぐおおおおおおおおおおおおん


「とりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


 ドジャアアアアアアアアアアア


 見事にエイジはきりもみ回転しながらぶっとんで地獄の岩盤にぶちあたったジャーーーン!!!


 バッチーーーーーーーン!!!


「ぎゃあああああああああああああああああっ………あ……あ」



 エイジが巨大になっていたときと同じほどの大きさになった主神ブドクトルが大声で笑ったっつー。


「がははははははははははははははははははははははははははっーーーー。よくやったのじゃあああああああ。サンコよぉーーー。お前は大した男だのーーーう。さすがにいくつもの次元で世界で1番の男になり続けている存在よーーーー。がっははははははははははははははははははははははははははは」


 ひょーーーーーーー、スッキリーーーーィィィ!!!!!

 ひょーーーーーーー、スッキリーーーーィィィ!!!!!


 青の女神がその様子を見て、さわやかに笑って、パチンと指を鳴らしたっつー。


 パッチンっ~♪


「ははは。やるジャン。ナイスパンチだぜぇっ」


 女神たちが俺を一斉に褒めたたえたっつー。イエーイ。


「おおお。やるのう。わらわは感動したのじゃっ」「私たちの協力は完璧でしたね」「すごいよっ。サンコ。サイコーだよ」「ふふふ。天罰覿面でござる」「素敵デス。サンコ」「よくやったわ。完全ね。サンコ」「おーーほほ。気分がいいですわ」「やるぅーーー。サンコ」「くくく。ナイスザマァ」「ははは。これは気持ちがいいものですね。サンコ。素敵です」「………ッ」


 それから笑い声が響いたっつー。天使女神たちの華やかでさわやかな笑い声っ。イエーーーイ。聞いてて気分がいいぜぇーーーー!!!


 それから、エイジはしばらく地獄の地べたに落ちて、ぴくぴくしていたジャン。


「うぅ………うぅ………ぐぅ………くう」


 あはははっ。お前は地べたにはいつくばるのがお似合いだぜぇ。


 主神ブドクトルが空間の全体に響くような大声の中で小さく静かに言った。


「さあ、よくやったぞ。サンコよ。今、エイジに囚われていた第1天界なろうポリスと、第3天界カクヨムポリスの主神がわしと同じように解放された。そして、エイジに寄って支配されていた世界も解放されたのじゃ。まあ、観ておれ。これから、その主神たちがエイジに天罰が下る。4秒後じゃ」


 紫の機械の女神が静かに言ったっつー。


「秒数カウントでス。4・3・2・1」


 おおお? どうなる? ザマァおまけタイムじゃん?


 そのとき、エイジの元に凄まじいばかりの稲光が走ったジャン!!


 ずどおおおおおおおおおおおおおおおおおおん


 バリバリバリー バリバリバリー バリバリバリー


 800の雷がそのときエイジに一片に降り注いで、エイジが黒焦げになって、その場でぱったりと倒れたっ。


「ぎゃああああああ………」


 黒の女神が口元に手を当てながら大声で笑いながら言ったっ。


「おっーーーほほ。ざ・ま・あ」


 ひょーーーーーーー、スッキリーーーーィィィ!!!!!

 ひょーーーーーーー、スッキリーーーーィィィ!!!!!


 エイジが黒焦げになりながらぴくぴく言ってるジャン。


「うぅ………うぅ………ぐぅ………くう」


 主神ブドクトルがどっかりと巨大な体を地面に腰を下ろしてまた大声で笑った。


 ズシーーーーーーンと大地が揺れるっつー。


 うおっ、主神ブドクトルでかくなりすぎっ。


「がっははははははははははははははははは。がっははははははははははははははははははははははははは。こりゃ気持ちいい。天罰テキメンじゃのう。サンコ。本当によくやったのう。がはははははははははははははははは」


 そこに金の女神がやって来て、大きなブドクトルさまの前に飛んで行って、ブドクトルの頬の辺りで言ったジャン。


「ブドクトルさま、よくぞ戻られました。ですが、エイジによって、第2天界は地獄の軍勢によって荒れております。エイジから解放された世界も平定しなければなりませんし、今すぐに天界に戻られ、軍勢の討伐に向かわれませんと」


 おっ。そうジャン。倒した後が大変なんじゃん。さすが、金の翼の女神。よく考えてるジャン。


 主神ブドクトルはうなずいて腰を上げて、金の女神に言った。


「金の女神の言うとおりじゃのう。わかった。わしはこれからすぐに天空神殿に戻って武装を取り戻して、エイジの荒らした軍勢の討伐に向かおう。お前たちはよくやった。サンコもな。これからのことをサンコに対して話してやりなさい。転生の準備じゃ。まずは邪神エイジを天空の牢獄に閉じ込めるのが先じゃな」


 ブドクトルは今は小さく細くなった鎖につながれて邪神エイジを小指でひっぱる。


「あぅうぅ………あぅ………」


 エイジは主神さまに鎖で引っ張られて、なんつーか、ザマァ。


 そのまま、主神さまが巨大な白馬の馬車を呼び出し、天界に戻った主神さまに引っ立てられて、兵士たちに囲まれてエイジは第2天界の牢獄に向かったっつー。


 やったぜ! すべて解決だ!


 おっ、そうなるとそろそろ転生ジャン。


 ふいーーーー。転生までの道のりは長かったっつー。1億年掛かったぜ。


 それから俺は女神たちと、転生前にしばらく話したジャン。


 紫の機械の女神がくすくす笑いながら言った。


「フフフ。懲罰によるエイジの神格の低下が起こりまシタ。フフフ。主神さまががるあーんに戻らレ、3つの天界の最高神がそれぞれ元の位置に戻りまシタ…。多くの邪神エイジが支配していた世界も解放され平和になるでショウ……。フフフ」


「天罰テキメンだったねぇ。エイジによって神格を落とされていた主神方は、ずっとこのときを待っていたんだねぇ。確かにこれはいいタイミングだったぜ。サンコ、本当によくやったっ。お前の知恵のおかげだぜっ」


「わらわも楽しかったのじゃ。よくやってくれたのう。サンコ。天使女神として、わらわはお前に加護を与えたいのじゃ」


 黄色の女神がにっこり爽やかに言った。


「でも、ほんとすごいよサンコっ。一発でエイジを倒すなんてっ。さすが僕の認めた男だねっ。怪我はないっ?」


 それから、俺は転生することになったっつー。


 まだおそらくエイジの味方をする陰湿で汚いヤツラがいるくさい、災厄界のどこかで潜んでやがるんだろうと思うけど、そいつらを蘇った主神ブドクトルと、天使女神たちは邪神エイジの解放と一緒に倒しに向かうらしい。それで、その前に、俺はほんとに転生できることになったジャン。


 記憶も残してもらえることになったっつー。ラッキー。


 やったぜっ! これで俺は前世の夢を叶えられるジャン!


 そして、それからいろいろあって、俺の魂が新たな体に変質していったぜ。


 女神たちには感謝だっつー。神様はやっぱりすごいジャンー!!!





 赤の翼を持つ気の強そうな少女の女神が言ったっつー。


「さあ、そろそろはじめるわよ!! ほんとによく頑張ったわ。サンコ!!! あんたはひとつの地獄とすべての邪神エイジに虐げられた世界、そして、天界を救ったのよ。さあ転生の時よ!!! 私たちの歌があなたを必ず転生させるわ。がんばって!!!」


 紫の翼の機械の女神が言ったっつー。


「女神ガード祝福整容シールド展開・脱健着患2013デス。セーフティコード設定しまシタ。安心してくだサイ。あなたの望む世界にあなたは転生できマス。あなたが幸福になリ、大好きな人たちを幸福にできる世界デス。邪神エイジの世界を取り戻してもらうつもりでシタガ、あなたがエイジを倒したお蔭で平和な世界となるでショウ」


 やさしい大人の緑の翼の女神が言ったっつー。


「あなたは記憶を持ってるからわかるだろうけど、地球のエイジには気をつけて。転生してあなたの転生する世界に干渉してくるかも知れないわ。元々神になったエイジにしたのはソイツだわ。Ωポイントを最初に使ったヤツよ。だからそいつも転生してくるかも知れないわ。気をつけて。あなたへの復讐のために」


 オレンジの翼のサムライ風の少女の女神が言ったっつー。


「ふふ。ただ、次に転生する世界ではおぬしは拙者たちの加護により、強い立場を持つことになると思うでござる。おぬしは安心して地道に力をつけて欲しいでござる」


 桃の翼の委員長みたいな女神が言ったっつー。


「がんばってください。気にしないで転生して前世やれなかった、あなたがやりたかったことを、好き放題にやったらいいと思います。あなたはいい人だから、絶対そのうちにすごいことできると思います」


 銀の翼のギターを持った釣り目のおひいさまみたいな女神が言ったっつー。


「ふふふ。わらわにはわかっておる。お前が人生に成功すれば、地球のエイジも、神格が落ちた邪神エイジのせいでザマァして落ちるじゃろうのう。まあ、地道にやれば地球のエイジのザマァは確定じゃのう。がんばるののじゃ」


 黄の翼のボーイッシュの溌剌した女神が言ったっつー。


「いつか君に僕は会いたいっ。僕たちに会った記憶は消えるけど。サンコ。君はきっと幸福になるよっ。君が地球の全人類を幸福にしようとしたアイディアは残るからねっ」


 白の翼の小さい女神は黙って、俺の腕をぎゅっと握ったっつー。


「………ッ」


 最後に女神の中でリーダーの金の翼の絶世の美女の女神が最後に言ったジャン!


「さあ、そろそろ時間ですっ。行くのですっ。サンコっ。今、私が転生させますっ。あなたの未来に希望の炎をっ。おおおお。女神呪文招来・マズロー欲求5段階説・生理安全社会的承認自己実現の欲求、異世界転生魔道アーキュレス法!!!!!!!」」」




 ちゅどーーーーーーーーーーーーーーん!!!




 魂から新たな肉体に代わり、俺はどこかの世界に転生するためにグングン引っ張られていくっつー。


 ぐんぐん。


 ……その俺の耳にまだ歌ってる14の天使女神の歌が聴こえるっつー。女神たちは転生する俺を途中まで見送るために俺と一緒に飛んでるっつー。




 間近で聴く女神の歌ってすごく特別な気がするっつー。聞いてて癖になるジャン。


 はー、よかった。ザマァもやれたし、これで安心ジャン。


 ただ、そこで俺の転生する青い世界が見えたとき、事件発生ジャン!!!!


「むっ。敵襲にござるっ」


 オレンジの女神が突然声を上げたっつー。


 !!!!


 そのとき、エイジの声が聴こえたっつー。


「おいおいおい。サブスクリプションだよ。クズ貧乏人。お前の顔は久しぶりに見るが、あいかわずブサイクだなっ。このゴミっ」


 ただ、エイジ!?


 違う!? コイツ、邪神エイジじゃないっ。地球にいたエイジだっっ!


 俺を痛めつけて、俺の仲間たちも散々痛めつけたヤツっ。


 それで、ムッキーーーー!! 俺を大学中退に追い込んだヤロウだっつーーー!!


 なんだっ。このバカっ。どっかからいきなり干渉かけて来たっつー。邪魔しにきやがったのかっ!?


 俺は叫ぼうとしたけど、転生中で声が出せないジャン!


 エイジは俺を無視してしゃべりながら、いきなり空間に転移して来て、くるくると回りながら言ったジャン。


「アウトブレイク的によくも、ゴミクズのくせによくも僕の眷属を追い込んだなっ。分身とはいえ非常に不愉快だ。このクズ。僕が転生して神になっていなければ危ういところだったじゃないか。まあいい。眷属は解放した。神になった僕がいれば当然の結果だ。お前のようなゴミと違ってな。さて、その罰だ。このブサイクの搾取型貧乏人っ。これからは僕のΩポイントの下僕邪神を生意気をやってくれたクソ貧乏人のお前に天罰を食らわす。オーバーシュートだ。わかるか? オーバーシュート。はははははははははははははははははははははは」


 赤色の翼の女神が言ったっつー。


「あんたバカぁ? あんたなんか私がぶった切ってやるわよっ。ちょっとくらい神力を得たからって舐めるんじゃないわっ。くたばりなさいっ」


 すぐにエイジに向かって、俺の傍を飛んでいた赤の女神が剣で斬りつけようとしたっつー。


 だが、エイジはそれをひょいとかわして、挑発的に笑ったつー。


 む、むかつく。


「はははは。イノベーション的に危機だね。これは退散しよう。僕は無駄な戦いはインスタグラム的に好まないからな。だが、サンコ。クソ貧乏人であるお前に天罰を与えることはエモ的に決定事項だ。僕はお前なんかを相手にしてるほど暇じゃないが、醜いゴミの落ちる先は僕が決定させてもらおう。お前は僕の世界でクズ身分になれ。転移干渉。アルファリワードコイン。承認。承認。承認。これで終わりだ。バズマーケティングだよ。バズマーケティングっ。ははははははははははははははは」


 バッツン


 地球エイジはそれだけ言うと世界が突然真っ暗になった。くそっ。マジか!?


 エイジはそのままふっと消えた。


 くそっ。あいつどこ行った!?


 桃の翼の女神が言ったっつー。


「……今、転生アカシックコードを確認しました。やられてしまいました。サンコ。エイジはあなたの転生に違法干渉を掛けました。あなたの行く世界での身分に変更ができてしまいました。たぶん誰も身を助けてくれる人のいない身分になると思います。ただ、地球エイジはあなたを相手にするつもりはないようです。それでなんとか生きられると思いますけど。気をつけて」


 透明の翼の女神が言ったっつー。


「………アカシックコード。私も確認……‥。聞いてサンコ。これは試練………。地球エイジから干渉は私たちに止められなかった……。……あいつ意外に力ある……。コードを確認した……。あなたは転生しても、生活の中で目標設定もできず、自己決定も役割つけないで、目標達成もできないために、自己評価も低くなり、劣等感を抱きコミュ障のままで転生する……。自立支援。………意欲を出して。………目標設定」


 青の翼の女神が言ったっつー。


「悪かったな。アタシたちしばらく邪神エイジの率いていた災厄界のヤツラと天界を復興させるために動けそうにない。だから次元で少し助けをやることぐらいしかできないが、がんばんな。サンコ。お前とタッグを組んでエイジを追い込んだのは楽しかったぜ」


 銅の翼の軍服を着た女神が言ったっつー。


「アカシックコード確認。情報を取り寄せたわ。ランズワードでは今、エイジが世界をオモチャにしてる。人がエイジに逆らったり、従ったりして色々不安定な情勢のようよ。気をつけて。サンコくん。ただ、人は完全にエイジに従ってるわけじゃない。だから、それを利用していずれエイジを人間の力で神の座から落とすのよ。がんばるのっ。大丈夫。きっとザマァできる。私たちは干渉できるときにあなたに力を貸してエイジを落とすために協力するわ」


 銀の女神がまたギターをつま弾きながら言ったっつー。♪~


「難儀なことじゃのう。わらわたちの力不足ですまんのう。サンコ。だが、さあ、そなたを無事に転生させるために、わらわがギターを弾こうかのう。さあ、みなのもの。総力を結集して歌を歌うのじゃ! サンコに少しでも、わらわたちの祝福が残るように。さあ、元気よく。サンコに力を」


「わかったわ」「まかせてください」「元気に歌おうよっ。みんな。サンコの力になるためにっ」「劣化環境改善過誤。水平フットガード歌いマス」


 金の翼の女神が俺に言ったっつー。


「安心してください。サンコ。あなたはどんな状態になっても、私たちが必ずあなたを助けます。あなたの運命は、どんな困難があろうとも、必ず切り開かれ、そして、悪はザマァされるでしょう。あなたにはその力があるのです。それがあなたにはわかるはずです」


「あなたには私たちがついています」「がんばってね。サンコくん」「絶対なんとかなるわ」「わらわたちもきっとそなたを守ろう」「………ッ」「やれるぜ。お前なら」「絶対君は行けるからっ」「がんばるでござる」「あなたならできるわ」「くくくっ。呪いの力があなたを守るわ」「復讐よ。忘れないことね」「あなたを守りマス」「………あなたを守るのが……私の目標設定……」


 うおーーーーーー! 女神たちが全員で俺を応援してるぜっつー。なにか、やる気がドンドン湧いてくるジャン。


 よーーーし。やってやるっつー。例え記憶がなくなっても、どんなに弱くなっても、俺は絶対に転生して、1200兆円掴んでやるジャン。


「ありがとうじゃん。女神たち、俺絶対バリバリやるっつーーー!!!」


 俺が元気よく答えると、女神たちは笑って、それから、俺に向かって、元気よく、祝福の歌を歌ってくれたっつー。


 それは、大切な人を守るための天使女神の祝福の歌だっつー。


 それは、俺に向けた女神からの祝福だったっつー。


 ららら~♪


 女神たちは歌うジャン。


 ♪♪♪♪~♪♪~♪♪♪~♪♪♪♪


♪ 06障害者自立支援法―――♪

♪ 11障害者基本法の改定 難病が認定された大切なときー~♪

♪ 12介護保険法改定。介護予防・日常生活総合支援事業~♪

♪ 13障害者総合支援法できた―――♪


 ♪~@<リスクマネジメント★セイヤ 明日のために>


♪ 児童・身体障害福祉法・生活保護法、福祉3法~♪

♪ 知的傷害・老人・母子、福祉六法これで完成さ―――♪

♪ ノーマライゼーション―――♪

♪ QOL生活の質~♪向上・自立できる~♪

♪ その人らしく~♪ 生活できる~♪ 幸福はど・の・よ・う―なるか考え―――♪


 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


♪ 指定特定相談支援事業者

♪ サービス事業者のサービス担当者・会議なのさー♪

♪ 高齢化進展・少産少死型 社会移行・介護保険法、それで施行さ―――♪


 ……女神たちが色とりどりの羽根を広げながら唱和したっつー。

 黄色の女神のケアマネジメントはカンペキだっつー。


「さあっ。元気よく歌おうっ! そして、サンコを送り出そうよっ。サンコの明るい未来のためにっ。僕らの祝福をっ」


 そして、みんな明るく大きな声で俺の未来を信じて歌ってくれたっつー。


「「「「さあ、サンコの未来に邪神に負けない守護と祝福を~♪ 新たな世界へまるごと、吟英隆興伝説~♪ ドラゴン宝旗SSS~♪ ノモラカタノママ~♪ マークブラウン女神ペルソーヌ転生だぁ~♪♪ ららら………ららら………ららら………らら………ららら――♪♪♪♪」」」」





 ちゅどーーーーーーーーーーーーーーん!!!

 ちゅどーーーーーーーーーん!

 ちゅどーーーーーん………


 ………






 イエーーーーイ。それで、俺は、その日、女神たちのお蔭でランズワードに転生したじゃーーーーん。


 記憶は全部失ってるけど、そこからが俺の本当のはじまりじゃーーーーん。



 いっけーーーーーーーーーーーーーーー!!! 異世界転生ランズワーーード!

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