(二)-2

「香川です。淵野辺の部下で、私も同席させて頂きます。男性一人で女性の相手させるわけにはいきませんからね」

 そう言うと女性は淵野辺刑事の隣に座った。

 この間、彼女はずっとうつむいて机に視線を落としたままだった。

 そしてさっそく事情聴取が始まった。

 今回刑事が彼女に事情を尋ねたい理由というのは、彼女の自宅についてであった。それは今住んでいる福山富満の家ではない。美幸の家のことだ。

 俺にはその内容に想像がついたし、彼女も多分わかっていたと思う。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る