蓋をされる
【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名
(一)
彼女は一月半前にここへ来てから、「幸せ」に暮らしていた。ずっと前から「絶対幸せになる」が口グセだったが、ここへ来てからはそれもなくなった。
ここは男の家だった。男というのは福山富満。地元でコンビニやらファミレスやらのフランチャイズ店を経営している経営者だそうだ。もともと父親がやっていた資産家の息子だが、数年前にその父親を亡くして後を継いだとか。今年で四十九になる、いい歳したおっさんだ。背は高くない。腹もボコッと出ているし、横幅も広い。しかも独身。実家暮らしのボンボンで、母親も同居している。
(続く)
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