■■村備忘録

荒城美鉾

第1話 Sの作文

 ぼくの家では毎年、お盆になるとタマをウユウさまの祠におあずけします。

 ようちえんのころはそれがいやで泣きました。

 少しさびしいけれど、お盆が終わると返ってくるのでいまはもう大丈夫です。

 返ってきたタマは、少しなき方がかわっています。それがいつもふしぎです。

 いとこにきいたら、いとこのうちではそんなことをしないといったので、お母さんにきいたら、犬やねこはしないと言いました。

 するのは、おみたまだけです。

 ぼくは、ウユウさまが、少しだけ、こわいです。

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