第351話 仕事中毒

 ケガや病気の時は、寝て治すが基本。


 頭では分かっているのだけれど、ねむれない。


 あれから、どのくらい寝ていたんだろう。


 見れば、巣穴すあなの前にあった焚火たきびは消えていた。


 誰も火のばんをしなかったから、まきが燃えきてしまったんだ。


 すみは残っているから、すぐに火をけることは出来そうだ。


 ぼくの代わりに、お父さんとお母さんが薬を作ってくれるって言っていたけど。


 ふたりには、ムラサキバレンギクとキノコの見分みわけ方を教えていない。

 

 ぼくが寝ていた間は、ヨモギの薬しか飲んでいないはずだ。


 ヨモギにも、免疫力強化めんえきりょくきょうか抗菌作用こうきんさよう抗酸化作用こうさんかさようなどがふくまれている。


 だから一応、マダニ感染症かんせんしょうにも効果はあると思う。


 グレイさんが狩りに行ってくれたはずだから、肉は食べられたのかな?


 いろいろなことが気になりすぎて、ねむりたくてもねむれない。


 ねむれないぼくを見て、グレイさんはあきれたため息をく。


『シロちゃんは、【頑張がんばりすぎ】という病気だな。オレは、シロちゃんみたいに頑張がんばりすぎる猫を見たことがないぞ。もっと、自分を大事にしてくれ』 


 言われてみれば、そうかもしれない。


 起きている間は、何かしていないと落ち着かないんだ。


頑張がんばらないと」「ぼくがやらなくちゃ」と、いつも考えている。


 頑張がんばれば頑張がんばるほど、められた。


 みんなから、「立派なお医者さんだ」と、みとめられたかった。


 頑張がんばれば、みんなによろこんでもらえた。


 ぼくしか分からない薬草があるから、ぼくがやらなきゃって思っていた。


 ぼくしか出来ないことなら、ぼくがやるしかないって。


 ぼくはみんなにみとめてしくて、頑張がんばっていたのかもしれない。


 ぼくみたいな考え方を、「仕事依存症しごといぞんしょう」とか「仕事中毒しごとちゅうどく」とかいう病気らしい。


 そうか……ぼくは、「仕事中毒しごとちゅうどく」だったのか。


 グレイさんに言われるまで、気付かなかったな。 


『今はとにかく、病気を治すことだけ考えてゆっくり寝るんだ。寝れないなら、寝るまでオレがずっと側にいて話をしてやる』


 グレイさんに抱っこされて、寝かし付けられた。

 

―――――――――――――――――――


仕事中毒しごとちゅうどくとは?】


 「はたらかなければ」と思い込み、仕事を頑張がんばりすぎてしまう病気。


 生活や自分の健康まで犠牲ぎせいにして、倒れるまで仕事をしてしまい、最悪の場合、過労死かろうししてしまうこともある。


 英語だと、「workaholicワーカホリック」と言う。




 ※諸事情しょじじょうにより、投稿が遅くなりまして申し訳ございません。


 うっかり間違まちがえてデータを消してしまい、あわてて書き直しました。

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