第344話 夏の低体温

 実は、猫は花も食べる。


 猫が食べられる花は、カモミールやガーベラなどのキク科の花、薔薇ばららんなど。


 薔薇ばら花弁はなびらこのんで食べる、優雅ゆうがな猫もいるんだって。


 猫が花を食べる理由は、猫草ねこくさを食べる理由と同じ。


 花のにおいにさそわれて好奇心こうきしんで食べてみたり、花弁はなびらの食感や味が好きだったり、胃腸いちょうが悪かったり、毛球症予防けだましょうよぼうだったりする。


 お散歩中さんぽちゅうの犬も、たまに草花くさばなを食べることがある。


 犬が草花くさばなを食べる理由は、おなかの調子が悪い時らしい。


 といっても、道路脇どうろわきえられている草花くさばなは、農薬のうやくが掛かっていることが多いから要注意ようちゅうい


 それに、犬も猫も食べられない花の方が多いから、食べないように気を付けてあげてね。


 さっそく、ってきたムラサキバレンギクを食べてみよう。


 頭状花真ん中の部分を食べるのはちょっと怖いので、花弁はなびらだけを食べてみる。


 花弁はなびらは、うすくてやわらかくて食べやすかった。


 これで、抗生物質こうせいぶっしつになるのかな?


 頭状花真ん中の部分も、食べた方が良いのかな?


 ちょっと不安だけど分からないから、とりあえずこれで様子を見よう。


 っこは、雨水あまみずで土を洗い流してから、石で叩きつぶして薬を作る。


 マダニにまれたあとは痛くもかゆくもないから、自分じゃどこか分からない。


 人間だったらはだが赤くなるから、見ればすぐ分かるんだけど。


 猫は全身を毛でおおわれているから、毛をき分けないと、肌が見えない。


 『走査そうさ』に傷口きずぐちの場所を教えてもらって、薬をった。


 お父さんとお母さんとグレイさんにも花弁はなびらを食べさせて、薬をった。


 これで、良しと。


 あとは、雨がむまで巣穴すあなの中で待つだけだ。


 長時間、雨に打たれていると、夏でも低体温症ていたいおんしょうになる。


 低体温症ていたいおんしょうは、脳や心臓などの深部体温内臓の温度が35℃以下になった状態。


 たかが、低体温症ていたいおんしょうと軽く見てはいけない。


 深部体温しんぶたいおんが28℃以下になると、死んでしまう。


 犬猫が低体温症ていたいおんしょうになったら、体をタオルや毛布で包み、湯たんぽやヒーターなどでゆっくりとあっためる。


 火を起こしても良いけど、巣穴すあなは小さいから焚火たきびを出来る場所がない。


 それに、火を起こす為の枯木かれき枯草かれくさもない。


 この大雨おおあめじゃ、枯木かれき枯草かれくされて使えない。


 今はみんなで体をせ合って、ねこねこだんごで温め合うしかない。


 グレイさんは、ねこねこだんごで幸せそうな笑みを浮かべている。


 せま巣穴すあなは、4匹分の体温ですぐにあったかくなった。


 これなら、低体温症ていたいおんしょうになることはなさそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る