第288話 猫はキノコが好き

 ぼくたちは、アグチ先生の集落しゅうらくの猫たちのお世話をした。


 整腸作用せいちょうさようのあるキノコを食べさせたり、大葉おおばで作った水薬みずぐすりを飲ませたりしたので、猫たちは少しずつ元気を取り戻していった。


 3日もすれば、サルモネラ腸炎ちょうえんで苦しむ猫はいなくなった。


 おなかをゴロゴロ壊していたのピーちゃんで、かなり体力を消耗しょうもうしているから、あとは安静あんせいにするだけだ。


 病気の猫がいなくなったので、ぼくたちは看病疲かんびょうづかれをいやす為に、しばらく集落しゅうらくでお世話せわになることにした。


 昼は、集落しゅうらくの猫たちとのんびりお昼寝。


 夜は、グレイさんとふたりで夜のお散歩をして、一緒にねむった。

 




 ゆっくり過ごして疲れが取れたところで、アグチ先生の集落しゅうらくから旅立つことにした。


 旅立ちの日、集落しゅうらくの猫たち全員がお見送りに来てくれた。


 集落しゅうらくおさが、にっこりと笑って握手あくしゅを求めてくる。


「シロちゃん、たくさんお世話になったナァ。ありがとうナァ」


「これ、あたしが作った干しキノコにゃ~、良かったら、お土産みやげに持って行ってにゃ~」


 やさしく微笑ほほえむアグチ先生が、植物のつるんで作ったかごをくれた。


 かごの中には、たくさんの干しキノコが入っていた。


 ぼくはありがたく、干しキノコの詰め合わせを受け取った。


「ミャ」


 こちらこそ、お世話になりました。


 アグチ先生、干しキノコを下さって、ありがとうございます。


 おふたりも、集落しゅうらくの皆さんも、どうかお元気で。


「シロちゃんも、元気でナァ」


「シロちゃん、本当にありがとうにゃ~。さようならにゃ~」


 ぼくたちは、集落しゅうらくの猫たちに見送られて、アグチ先生の集落しゅうらくを後にした。


 


 集落しゅうらくを出ると、グレイさんがしっぽをブンブン振りながら、おすわりをして待っていた。


『シロちゃん、待っていたぞ。また一緒に、旅が出来るんだな。うれしいぞ』


「うん、行こうミャ」


 グレイさんは、ぼくが抱えているかごを見て、首をかしげる。


『シロちゃん、それはなんだ?』


「これは、アグチ先生がくれた干しキノコミャ」


『キノコ? あの時、シロちゃんがくれた美味おいしいキノコか!』


 グレイさんは、焼きキノコの味を思い出したのか、舌なめずりをする。


「これは焼いていないから、食べられないミャ」 

 

『なんだ、食べられないキノコなのか……』


 食べられないと聞いて、グレイさんは分かりやすくガッカリした。


 そういえば、色んなキノコが入っているけど、何があるんだろう?


 教えて、『走査そうさ


対象たいしょう:しいたけ、しめじ、まいたけ、えのきたけ、なめこ、きくらげ、マッシュルーム』


 ふむふむ、どれも人間だった時から知っている食用キノコばかりだ。


 意外いがいに思うかもしれないけど、実は猫はキノコが好きなんだよ。


 猫も、キノコの「旨味うまみ」を感じることが出来る動物だから。


 個体差こたいさがあるから、キノコがきらいな猫もいるけど。


 猫はキノコをたくさん食べると、消化不良しょうかふりょうを起こす。


 猫にキノコをあたえる時は、細かくきざんで、味付けをせずに、柔らかくなるまででたものをあたえてね。

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