第228話 猫が少ない集落

 ぼくたちは、 Gastornisガストルニス(体長約2.5m、体重約500kgの激重ダチョウ)を狩って食べた。


 ガストルニスは、体が重くて走るのが遅いから、狩りやすいんだよね。


 大きいから、4匹では食べきれない。


 そうだ! これから向かう集落しゅうらくへ、お土産にしようっ! 


 ぼくが『走査そうさ』で道案内みちあんないして、お父さんとお母さんとグレイさんにガストルニスを集落しゅうらくまで運んでもらった。


 グレイさんとは、集落しゅうらくの少し前で別れて、ぼくとお父さんとお母さんの3匹で集落しゅうらくたずねた。


 集落しゅうらくの入り口近くで、香箱座こうばこずわりをしていたクリーム(薄茶色の毛並みの)猫に、声を掛けてみる。


「ミャ」


 初めまして、こんにちは。


 ぼくは、イチモツの木の根元にある集落しゅうらくからやって来た、シロといいます。


 ここへ来る途中とちゅうで、ガストルニスを狩ったんで、お土産に持ってきました。


 集落しゅうらくの皆さんで、食べて下さい。


「シロちゃん、初めましてみゃお。お土産、ありがとうみゃお。さっそく、いただくみゃお。みんな~! お客さんが、お土産を持って来たみゃお~っ!」


 クリーム猫が大きな声で呼び掛けると、集落しゅうらくの猫たちが集まって来た。


 集まって来た猫は、たったの5匹。


 あれ? これで全部?


 5匹の猫たちは、「お土産ありがとうニャー」とお礼を言って、美味しそうに食べ始める。


 仲間を呼んだクリーム猫も、一緒に食べている。


 聞きたいことは色々あるけど、集落しゅうらくの猫たちが食べ終わるまで待った。


 猫たちが満足げに、食後の顔を洗い始めたところで、クリーム猫に聞いてみる。


「ミャ?」


 集落しゅうらくの猫は、これで全員ですか?


「これで、全員みゃお。前は、もっとたくさんいたんだけど、死んじゃったみゃお」


 死んだ? どうして?


天敵てんてきおそわれたり、病気が流行はやったりして、いっぱい死んじゃったみゃお」


 天敵てんてきは、どんな動物でしたか?


「狩りに行った猫たちがおそわれたらしいから、何におそわれたかまでは知らないみゃお」


 狩りをしている時に、天敵てんてきと出会うことは良くあるんだよね。


 きっと、狩りに行った猫たちは、そのまま帰って来なかったんだ。


 猫たちが死んだ病気は、どんな病気だったんですか?


「どんな病気かなんて、知らないみゃお」


 何を質問しつもんしても、クリーム猫は困り顔で首をかしげるばかりだ。


 クリーム猫は若い猫だから、何も知らないのかもしれない。


 じゃあ、集落しゅうらくおさは、どこにいらっしゃいますか?


「そこに」


 クリーム猫が指差ゆびさした先には、穴がめられたばかりの地面と、大きな石が置いてあった。


 それが何かなんて、聞くまでもなかった。

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