第45話 解明

暫く留守にするから、りなに電話を、


【りな、悪い、暫くさ、みさきさんと原因解明するために仕事休むよ】


【みさきさんってまだ呼んでるの?お姉さんでしょ?それに私と同じ会社じゃないでしょ?】


 あっ、そうか。この世界ではまだ前の職場にいるんだったね。


【はると、研究所のあった場所解るよね?そろそろ行くよ】


りなが電話の先で、


【ん?誰の声?みさきさん?】


【そう】


【ふーん、ほんと仲いい姉弟だこと…】


りな、不満そうだ。


【じゃ、りなも行く?】


【急に休めないから、みさきさんと行ってきて】


【じゃ、何か解ったら報告する】


………………………電車………………………


【ごめん、姉ちゃん、やっぱ、みさきさんって呼んでいい?姉ちゃんって慣れないや】


【いいけどさ、じゃせめて、みさきって呼んで】


【何で?そんな馴れ馴れしく呼んでいいの?】


【そのほうが楽だからさ】


【じゃ、みさき…ってのとで】


【みさきって、新鮮だね!彼氏と話してるみたい】


バカなんですかー、あんた!


………………………研究所跡地………………………


 やはり何もないよな、ここは。周辺の様子から、間違いはないんだけど。


【ここって。なんか※※サスペンスに出てくるような?ねっ、はると】


【まぁね、りなも同じこと言ってたよ】


 周辺の様子から、どうしても場所は合ってる。さて、どうしたものかな。


【はると、他探したほうが何かヒントあるかもよ】


 んー、そうか!この近くのホテルだ!るいさんといたホテル!そこでタイムパラドックスが起きたんだ!

とりあえず行ってみよう。


【みさきさん…ごめん。みさき、ホテルだ!ホテル行こう!そこにヒントあるかも!】


【ちょっと…ちょっと、はると、ホテルは流石に、無理だよ…】


【違う、違う!何勘違いしてるんだよ。タイムパラドックス起きたんだよ、その場所で】


【あっ、そういうことね。なんだ…焦った〜】


焦ったのはこっちだよ。とりあえず向かおう。


………………………ホテル………………………


フロントの男性は、


【ご宿泊でしょうか?】


【はい、空いてますか?】


【少々お待ち下さい。えーと、一部屋なら空きありますがよろしいでしょうか?】


 まあ、仕方ない。カップルと思われているなら、問題ないね。


【じゃ、お願いします】


【かしこまりました。こちらにご記入をお願いします。こちらは朝食券になります】


記入を終え、部屋に、


【みさき、行こう】


【…うん】


何だよ、みさきさん、何かあるの?


【はると、ここって、そのるいさんと?えーと、仮にも男女でホテルってことはさ…】


【違うって。るいさんは研究所の先輩っていうか、友達だから。その人だよ、みさきを救おうとして】


【あー、その話に繋がる訳ね。るいさんね。覚えた。会ったらお礼言わないとね】


【それなら、俺こそ、みさき、俺を救ってくれてありがとう】


【はると、な、何、急に…】


【何だよ、その反応】


【はると、男っぽくなって、みさきって言われて、何か緊張しちゃうよ】


【自分で言ったんじゃん!みさきって呼べって】


【そうだけどさ…はると、変わったね。何か男っぽくなってさ。昔は可愛い弟って感じだったんだけどなー】


 そもそも弟じゃないんだよ。俺の記憶ではさ。

この世界では弟になってるけどね。





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