第39話 始まりの世界

 何もないや、未来の地球なのか?過去の地球なのか何も解らない。現実か夢かも解らない。感覚も何もない。


 覚えているのは、るいさんが過去のるいさんと、出会ってしまって、るいさんがそのことを認識したこと。るいさんは無事なのかな?


 遠くに渦巻く物体が見える。何だろう?ブラックホールみたいなものかな?前に聞いたことあるような。思い出せないけど。


 建物も店も人の姿もなく、辺りは永遠と続く岩場の台地、遠くに見えるのは、海。


 困ったな~。こんなことになるとは、恐ろしい、何て、恐ろしいんだ、タイムパラドックスって。


あれ、何も感じなくなってきた。意識が…


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


【はると、起きてよ。いつまで寝てるの?】


誰?るいさん!


【はると、ほら、映画間に合わなくなっちゃう!】


それどころじゃないんだけど、映画って?


【あの~映画って?】


【何寝ぼけてるの!】 


誰?寝てるのか?俺は?


【こりゃ重症だね。約束してたの忘れるなんて…】


【ちょっと待って!るいさんは?】


※バシッ!※ あっ、痛っ!


【誰よ、るいって!自分の彼女の前で!優しく起こしてあげてたのに!】


ちょっと、ちょっと、りな!えー、何で?


【りな、帰ってきたの?】


※バシッ!※ あっ、痛っ!…二度目。


【帰ってきたのじゃなくて、迎えに来たの!映画!もう、いいかげんにして!はると!それとも病院いく?】


【ごめん、変な夢を見ていた。りな、ちょっとパニクってた。ごめんね】


りなが抱きついてきて、なんか、心地良い…


【はると、落ち着いた?昔からこれすると喜ぶよね?私だけの特権♥】


【ありがとう、うん。落ち着いてきた】


夢にしては長かったな。本当に夢?


【映画行こ!】


【うん】


 少しこの世界の様子を見よう。夢だったら、みさ、るいさん達のことは現実世界では、無いからね。それにしても、リアルな夢だ。


 りなは幼なじみ。夢の中ではだいぶ前に付き合ったけど、みさが現れて、結局りなを傷つけることに。夢だからって思っても何か申し訳ない。


【りな、みさって友達いる?】


※バシッ!※ あっ、痛っ!…三度目。引っ叩く場所変えてー!


【さっきから、何でいろんな女の人の名前が出てくるの!何かムカつく!とてもムカつく!】


【ごめん、リアルな夢だったから】


【あのね、ムカつくのは職場にいるからさ。その名前の女性!まぁ、偶然だけどね。その娘、すっごく可愛いから、余計ムカつくの!はるとには関係ないけどさ。はい、この話おしまい!】


偶然かな?本当に?会ってみたいけど無理だろうな。






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