13→








画面の中では

登場人物が

家具をひっくり返していた。



ダイニングテーブルの裏には

お札が無数に張られている。



叫ぶ登場人物。







座っている

この

食卓テーブルの裏を

覗き込んで、見る。





お札はなかった。




妙な、

黒ずんだ染みが見え。

一瞬、人と目が合う。



グラスの中だけに見える人ではない。


肩まで、だった人は

一瞬で

すぐに姿が見えなくなった。





手で染みに触れてみる。



ぬる、ん。



固まりかけの、液体?



指先が赤くなる。



木で出来たテーブル。

染み込んで黒くなって、

いた、だけ。






TVでは

登場人物が

家の中を喚きながら

何かから逃げていた。



画面の向こうから

こちらへ向かってくる。





登場人物は

こちらに向かって

指さした。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る