スラム産まれの僕でも希少スキル『ガラクタ収集』で人生逆転することは可能ですか?
3代目尊大大魔王サン🐕
第1話 転送と力の目覚め①
生ゴミの強烈な匂いが鼻をつくと共に目が覚める。
この僕、リュウシンが住んでいるこの場所はセレスティン王国の中でも屈指の大きさを誇る都市『セラーナ』
の南端に位置するありとあらゆるゴミを押し固め、掃き捨てたようなスラム街である。
僕は産まれた時からここに住んでいた。父親はおらず、母親は僕が8歳の時に病気で亡くなった。
それ以来、16歳になるまでスラム街にあるゴミ山から売れそうな物を見つけ出し、街で売って生き延びている。
とはいえ明日食べるものにもありつけるか分からない現状。
そんなこんなで今日もゴミの中から飯の種を探す。
「なんだろうこの光ってる物」
ゴミ山の中に輝くものを見つける
近づいて生ゴミや鉄屑、木材などをどけて取り出すと、それは宝石の中に鈍い紫の輝きが渦巻く指輪だった。
「なんだこれ!」
今まで見たことがないもののため、思わず大きな声が出る。しかしすぐに口を抑え、辺りを見渡す。
ここはスラム街、もし仮に高価な物を拾ったとバレたら命が危うくなる。
よかった周囲には誰もいないみたいだ
これを街に行って売ったら10ドレール(セレスティン王国で流通している通貨で1番価値が上の金貨)くらいにはなりそう。
しばらくはゴミ漁りをせずに街の宿で泊まることができるかも、絶品と言われているヒンメル高原に住むヒンメル角牛の肉も食べてみたい。
なんてことを考えながら、再び手に持つ指輪に目をやる。
すごい深い色合いの宝石だ、中で渦巻いており、覗き込むと引き込まれそうになる。
ちょっとだけだしいいよね、指輪を人差し指にはめてみる。
ピコン—
「スキル『ガラクタ収集』を習得しました」
それと同時に視界が激しく回り、景色が変わっていく—
数秒にはスラム街のゴミ山とは全く違う場所にいることに気がつく
「どこだ…ここ」
当たりを見渡すと薄暗く、じめじめしている洞窟のような場所にいることに気がついた、それに生き物の死臭がする。
聞いたことしかないがおそらくここは
この国には未確認のものも含めて30〜50個は
都市『セラーナ』の南方にも地上から20層以上の深度がある
冒険者や国の探査隊が攻略を試みているが20層で止まっている。
なんの装備も持たない僕がどうやってこの
この現状を引き起こした原因について考える。
手元を見ると、人差し指につけた指輪の輝きが失われていることに気がつく。
もしかしたらこの指輪は魔道具だったのかも知らない。
無用心だった。この世界で生きていくためには得体の知れないものをどうこうするべきではないと理解していたはずだったのに。
魔道具には様々な魔法スキルが込められている。おそらくこの指輪にも転送系の魔法を封じ込めていたのだろう。
そして何かのきっかけで魔法が発動したのか、
今指輪の輝きが消えて魔力を感じない。この指輪で脱出するのは難しそうだ。
あと気になるのが転送される前に聞いたなんだっけ?えっと〜スキル?『ガラクタ収集』だっけ
スキルというのは最低限の魔力を持っていて、なおかつ習得するために鍛錬した者に発現する物である。
リュウシンは長年スラム街のゴミ山でゴミを収集し続け、最後に魔道具の指輪を手に入れたことで経験値が溜まり、スキルを会得したのだ。
あの聞こえた声が正しければ僕もスキルを使えるようになったはずだ。うまくいけば
スラム街の知り合いに
確か手をかざしてスキル名を唱えてたような…
『ガラクタ収集』発動!
すると自分から半径20メートルの全ての物体を探知し始めた。
その中から1番存在感を持つ物に手を向ける
すると手を向けた方角から飛んでくるのが見えた。
掴むとそれは
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
モンスターに聞かれてなかったらいいけど…
落ち着きを取り戻すと周囲を警戒する
何も襲ってこないってことはひとまず近くに敵はいないのかな?
この異様な魔力を纏う腕の骨は一体なんなんだ…
目覚めたスキル『ガラクタ収集』と骨を頼りに脱出を図る
第1話 完
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