第10話夏祭りとりんご飴
今日は、花火大会だ、今は由衣柄の来るまでに、自分の身じたくを整えている。
姉に買って貰った、浴衣を母親に着付けてもらて居ると、インタフォンの音が。
(有出て頂戴)
(ほーい)
姉が、インタフォンに出る。
(はーい)
(こんにちは 腰越です)
(やほー由衣ちゃん久しぶり)
(上がって)
(お邪魔します)
そう言って、由衣が玄関に入って来た。
(お姉さんさんお久しぶりです)
(いや~ しばらく見ない内に、更に美人になったねー)
(そんな事無いですよ)
玄関から聞こえる、姉と由衣の会話を聞いて、少し懐かしさに浸っていると、着付が終わていた。
準備出来たので、由衣たちの所に行くと。
(真二も浴衣着るのね)
(そうだよ)
(ほら 行くぞ)
(はいはい)
(お姉さんまた)
(おぅ由衣ちゃんよろしくね)
姉に見送られて、花火大会に向かった。
歩きながら、浴衣姿の、由衣を見て居ると、髪を止めているのは、この前買った髪飾りだった。
(ふん)
(なによ)
(浴衣と、髪飾り似合ってるぞ)
(ありがとう、 貴女も 浴衣はかっこいいわよ)
(何だよ)
(ふふふ)
楽しそうな、由衣を横目に歩いて居ると。
(付いたわね)
(そうだな)
花火大会の会場に付いた。
付いて早々に、場所を取りに行く事にし
た。
(どこか良い場所あるかしら?)
(そうだな)
(あっ)
由衣と話して居て、良い場所を思い出した。
(なによ)
(あそそこ良いかもな)
(あそこ?)
(ほら 前来た時に、見た土手)
(あ〜あそこね)
俺たちは、近くの土手を目指して、歩いて居ると。
(ねぇ真二ちょとまって)
(どうした)
(屋台見ましょうよ)
由衣の目線の先は、りんご飴の屋台が。
(りんご飴、食べたいのか?)
(そうよ)
(じゃー買って来るわ)
(悪いわよ、付き合って、貰ってるから)
( 気にするな〜俺も食べるから)
(すいません)
(はいよ)
(りんご飴二つ、下さい)
(はい、1000円ね)
(これで)
(はい、丁度お預かりします)
(ありがとうね)
屋台で、りんご飴を買って、由衣の所に戻った。
(ありがとう)
(良いて事よ)
(場所取り、行くか)
(そうね)
そう言って、歩き始めると、隣で由衣がりんご飴を食べ始めた。
その姿を、見て昔の事を、思いだした。
(ふん)
(何よ、いきなり)
(いや、懐かしいなと、思ってさ)
(あら、貴方にそんな、感情があったのね)
(失礼だなー)
(ふふふ、ごめんなさい)
祭りだろうが、何であろうが、やはり由衣の毒舌は変わらない、正しく女王様だ。
そうこうして居ると、目的の土手に付いた。
(ここら辺で、良いか)
(うん)
土手の真ん中くらいに、由衣が持って来た、レジャーシートを敷き、花火が始まるのを待った。
30分くらいして、花火が始まった。
色とりどりさまざな、花火が夜空いっぱいに打ち上がって、とても奇麗で思わず、見入ってしまった。
そうして、1時間くらいで、花火が終わった。
(終わったな)
(そうね)
そうして、俺たちは、帰ろうと思い、歩き始めると、人の波にはまってしまった。
(由衣大丈夫か)
10分くらい人に、揉まれて、何とか出口に出れた。
(きつかったな、由衣)
何と、人混みの中で、由衣と逸れてしまった。
焦った、焦っている、現在進行型で。
不安だ、普段女王様で強気でも、腐っても、女子高生だ。
幸い、会場の中に戻る人は少なく、人混みに、ハマる事も無く入れた。
(由衣ー)
(おーい由衣)
声を出しながら、探して居ると、以外に早く見つかった。
(何だよ、心配したぞ)
(真二)
いきなり、由衣が抱きついて来た。
(うあーどうしたんだよ、いきなり)
(不安だった)
(そうか)
(怖かった)
(ごめんな)
(...)
不安だったと思う、そりゃそうだ、17の女子が、いきなり一人で、迷子だ、そりゃ俺も同じ状況なら、不安になるし泣くかも、しれない。
(帰るか)
(そうね)
抱きついていた、由衣が離して、手を繋いできた。
(何か、昔みたいだな)
(そうね)
(なぁ由衣)
(どうしたの)
(今から変な、事言うぞ)
(何時もの、事じゃない)
(そうだよな)
良かった、何時もの、由衣に戻った様だ。
(俺、お前の事、好きだ)
(あら、奇遇ね私も好きよ)
(そうかい、ありがとうよ)
(こちらこそ)
言葉数は少ないが、少なくとも俺は今人生で、一番嬉しい。
俺は、由衣の事を、好きな気持ちは、あったが、自分の気持ちに蓋をしていた。
色々言い訳をしていた。
こいつの事は、好きなれないとか、こいつに俺は似合わないとか、とにかく、俺の人生逃げて、ばっかしで、それで困らなかったが。
しかし今日は、由衣に抱きつかれて手を繋いだ時に、良い意味で箍が外れた、勢いで告白して良かったと思った。
(真二、浮気したら殺すわよ)
(分かりました)
(分かればよろしい)
(由衣よろしくな)
(こちらこそ)
そこからの、道中の言葉数は、少ないが、何となく嬉し恥ずかし、雰囲気だけは、お互いに感じていたと思う。
俺の、人生初彼女は、ツンデレで女王様でそれで居て、泣き虫の面倒臭い幼なじみだ。
だが、つまり、面倒臭い俺は、由衣とお似合いと言う事だ。
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