008 彼に救われたシスターはあなたを神扱いした後○○して…
「………ああ、我が神よ。
本日も貴方様のご加護の下に。
どんな厄災が起きようとも。
どんな困難が立ちふさがろうとも。
どんな絶望を前にしようと。
貴方様のご加護の下にある限り、希望へ導かれんことを信じています。
いつ何時だろうと、貴方様は私のすぐそばにおいでおられる。
日々の祈りをもって、そう願っております。
私を救ってくる貴方様も、どうかご機嫌であらせまするように。
………
『自分は神ではない』?
いいえ、貴方様は私の神様です。
私が尊敬し敬愛する神様なのです。
そこに一寸の疑いもございません。
私は、貴方様の救済を受けた子羊の一人です。
………不敬の言をお許しください。
以前の私は、神様の存在など信じておりませんでした。
【そこにいる】という存在でありながら、姿も影もなく、どこにもいない存在。
【ないもの】の存在を、私はどうやっても信じることができませんでした。
しかし、貴方様が現れた。
両親に見捨てられ、身売りによってさまよい、蛙の底に打ち捨てられていた私を、貴方様に救われた。
『ああ、これが神か』とその瞬間に抱いた思いは、鮮明に私の記憶に刻み込まれています。
………
『助けたつもりはなかった』?
貴方様に助けるつもりがあったかどうか、それはまったく関係ありません。
貴方様の存在のおかげで、私が救われた。
貴方様が現れたことで、私が救済された、
貴方様がいたから、絶望が消えてなくなった。
貴方様のおかげで、希望の火が宿った。
それ以外の要素は何ら重要ではないのです。
私にとって貴方様が神ということは、決して揺るぎません。
私が心底から崇拝する神。
それが貴方様。
………
『ここから出せ』?
何を言ってるのです?
貴方様は私の神なのですから、私と共にあることが運命であり必然。
貴方様が現世に降臨した確かに存在する神である以上、その場所こそが貴方様のおわす場所なのです。
貴方様がいるそこ以外の場所は、貴方様がいるべき場所ではありません。
私の神として、そこに貴方様が居続けるのが運命である点からの思し召しなのです。
貴方様が神であるからこそ、その場所こそが貴方様の居場所である。
そう、私は信じております。
…私はこれまでずっと、そしてこれからも、毎朝毎夜、貴方様に祈りを捧げます。
日々の中で欠かすことなく、祈り続けます。
貴方様はそこにあり続け、私にご加護をお与えください。
………
…ああ、我が神よ。
今日も幸せな日であらんことを、ここに願います」
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