第25話 様子を見ていたグループチャット

金:こちら、キンド。マセラは公園に来たみたいや


馬:どうだ? ネムちゃんは、いそうか?


金:いんや、なんや怪しいのがベンチに座っとります。髪が長くて項垂れているんでキモイですわ


宍:あまり人を悪く言うものでは無いですぞ


金:ええやん。ホンマの事やもん


有:だとしてもさ、言い方


風:マセラさんがどこに行くかは、ちょ、ちょっと興味がありますわ。知っておいた方がいいかしら?


有:知らない方がいいかもしれないよ


風:なっ!? なんでそんなこと言うんですの?


金:ちょっ!? 話しかけんのかいな!?


馬:どうした?


金:怪しいヤツを放っておけばいいのに話しかけたんよ。馬鹿やなぁアイツ。


馬:酔っ払いとかか?


宍:それはバカラでは?


馬:ギャハハハハ! たしかにこの前路上で寝てたけどもよ


金:はぁ!? マジか!? あれがネムちゃん!?


馬:どうしたどうした!?


金:怪しいヤツが実は普通の格好して項垂れてたネムちゃんやった


馬:お前キモイとか言ってなかった?


金:こ、これは不可抗力やし。みんなそう思うやろ。あれは


有:公園に行こう


風:あっ、ワタクシも気になるかもー


宍:あれはもうすぐ着く


金:なんや? よく聞こえん


馬:俺も行こうかな


宍:現着。後ろの茂みを確保。


金:ワイより近いやん! どうや?


宍:ふむふむ。ネムちゃん、実は人と話すのが苦手なようである


金:マジか!? あれで?


宍:そうみたいであるな


有:見えるところまで来た。


風:ワタクシも


馬:クソッ! 出遅れた!


金:なんやねん! あんな顔みたことないで!?


馬:どうした?


金:なんか凄く切なそうな顔するんよ。ネムちゃん。


有:マセラが笑ってる


風:あんな顔するですのね


金:なんかネムちゃんが生きてることが嬉しいって大きい声で言ってるやん。サブッ!


有:なにが? 生きてることを肯定してくれるのは嬉しい


風:そうですわね。キンド、お黙りなさい


金:えっ!? そんなにダメやった? 今の発言?


風:お黙りなさい


金:あいつめっちゃ熱く語るやん! サブッ!


有:黙れ銭ゲバ!


風:マセラ様をあまり言う様ですと今後の付き合い方を考えますわ


金:えぇっ!? す、すまんって! 冗談やんか! マセラを馬鹿にしている訳では無いやん?


有:傷口を広げてるよ?


風:キンド、口を縫いますわよ?


金:マセラ、顔真っ赤やん! ウブすぎるやろ!


有:えっ? ちょっと可愛いかも……


風:マセラ様可愛らしい。こんなに恥ずかしがるなんて


宍:いいですな。青春。アオハルですな。


馬:はぁはぁはぁ。ようやく来たぜ。あぁ? マセラが顔真っ赤じゃねぇか? どうしたんだ? 腹でもいてぇの我慢してんのか?


有:黙れジジイ


風:キンドといいバカラといい。何でそうなのですの? 次のオフ会には呼ばなくてもよろしいですわね?


馬:いや何でだよ? てか、マセラの顔がくもってきたな。どうしたんだ?


金:その代わりにネムちゃんが可愛い笑顔見せとるやん。なんや恥ずかしそうにして


馬:あいつマジで女の経験ないんだな。モテそうだけど。


宍:有名だったからこその弊害かもしれんな。もしかしたら、色んな人が寄ってきて人間不信のような感じになったのかもしれん。


馬:ギャハハハハ! だから、人間じゃないNPCってか!? そりゃ理にかなってるわ


金:理にかなっとるか? 頭おかしなっただけやない?


有:黙って銭ゲバ


風:お二人共リアルに召されたいのですか?


馬:いや、死にたくはない。すまなかった!


金:そんなんいう? はぁ!? なんや!? 凄まじい殺気や!


馬:あれは? マセラの周りを黒い空気が渦巻いている!?


金:うわぁぁぁぁ! 衝撃が凄まじいやん! なんやねんアイツ!


馬:なんかブチ切れたな。ネムちゃんになんか言われたんか!?


宍:聞こえた限りだと、ネムちゃんがナンパされたりお尻を触られたりした事があるらしい……


金:なんやて!? ええなぁ


馬:うらやま……


有:クソジジイ共が。有罪。


風:バカラ、キンド、共に有罪。


宍:ギルティ。ごめん。ワレはかばえん。


馬:凄まじい迫力だな。でもよぉ、すぐに鎮まったな?


金:なんや? 急にしんみりしたやん


有:なんか仲良くなった?


風:仲睦まじいですね……悔しい


宍:なんか仲良くなってるようであるな


金:と、思ったらいい感じやんか! なんやねん!?


有:あの二人尊い


風:何なのです? あの雰囲気。離さなければなりませんわね


有:ダメだよ? シルフィ?


金:落ち着け! 落ち着くんや!


馬:今行ったら見てたのバレる! シルフィ? 嫌われちまうぞ?


宍:やめた方がいいのである


風:はっ! や、やめますわ


有:シルフィ落ち着いて。見て。あの二人の雰囲気。


風:く、悔しいですわ。あんなにいい笑顔でネムちゃんが笑うなんて。


有:マセラも見た事ない笑顔をしてる


風:あぁ。マセラ様。ワタクシには見せたことが無い笑顔。負けましたわ。


馬:な、なんかめちゃくちゃいい雰囲気じゃねぇか?


金:なんやねん! 自分だけいい雰囲気になって! 引き離したる!


有:キンド?


風:息の根を止めますわよ?


馬:あぁ。俺っちかーえろー


宍:ワレも退散!


金:ワイも……


有:キンド、正座


風:そこにお直りなさい


 極一突のグループチャットは今日もカオスなのであった。


 負けるな、キンド。


 よかったな、マセラ。

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