読書の先輩
その後にもっと大変な目にたくさん遭いましたが、
高校生のころもそれなりに大変な時期でした。
どことも繋がりのない、そんな時期です。
当時を振り返ると、ただただ寂しかったなぁという感じ。
よくここまで生きてこれたな、私w
会員制読書クラブって、皆様ご存じでしょうか?
当時は今のようにSNSなんてたぶんなくて(私は知りませんという意味で)、
BBS(掲示板)や、せいぜいブログがいいところ。
そんなとき、私はどこかのサイトに、初めて書いた小説を投稿したのでした。
「琴と嵐と泥雪と」。高校生と、ホームレスの方の物語でした。
それがある方に読んでいただけて、無料だけど承認会員制の「読書クラブ」に参加しませんか?というお誘いをいただいたのです。
その方が在籍するのは、当時私が憧れていた読書レビュー(感想)ブログの管理人さんが運営するサイト。大げさなんですが、当時手が震えました。私はぜんぜんそちら方面に疎いのですが、芸能人に出会ったような気分といえば、ご想像いただけるかと思います。
たくさんの出会いがありました。
理系大学の博識お姉さん、愛あるレビューが爽快なOLさん(管理人さん)、本への愛があふれる主婦さん、知識豊富などこかの大学の関係者さん、優しい劇団員のお姉さん、そして私を誘ってくださった方(児童文学の名作、「氷の海のガレオン/オルタ」を、ぜひ読んでみてと言ってくださった方でもあります)。
たくさん本のことを教えてもらい、拙い言葉で自分からも言葉を連ね、ささやかなやりとりが積もっていく。ときが経った記憶なので多少美化されているかもしれませんが、それでも今も大切な思い出です。
あのとき、ありていな言い方をすれば同年代の中で孤立していた私に、「いてもいいんだよ」と直接ではないのですが伝えてくださったのは、そんな方々でした。
読書は趣味娯楽という方が多いでしょうし、私もそうです。
他方、物語そのもの、そしてその周りにいるすべての方々が物語を通してつながる、そんな媒体としての物語。
自己完結的な読書から、それを意識するようになったのは、その頃からのように思います(「一人で楽しむ」という意味ではなく、本当にうちにこもって自己完結している読書という意味です。それが悪いというわけではなく、私には当時それしかなくて、その選択の狭さがまた、当時私を苦しめていました。私の場合は、です)。
たしか3作書いて、最後に書けたのが好きな作家さんの短編、そのほとんど丸パクリのような内容しか書けなくて(これはどこにも公開していないので白状します)、いつのまにか書くことをやめて。学生から、社会人へ。
まさか今になって小説を書く、しかもそれを読んでいただけることになるなんて、思いもしませんでした。まあ、それをいえばメイクしてるなんて桁違いに想像もつかない未来でしたがw(新衣装、買いました!入ればいいな・・・!)
物語は、人を繋げる力がある。一人にさせない力がある。
私はそれを、あの時期に“先輩”たちから教えてもらったと思っています。
なのでこれからも私はそれにあやかりたいし、できれば自分でもそんな物語を紡いでいきたいと思います。
いろいろ失いながらも、まだここにいられるのは、そんな理由があるからかもしれません。
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