第14話 美人とイケメン2
しかも能力も高いって事だったから尚更だよな。
そう思うといてもたってもいられなくなって、すぐに準備をする事にしたんだよな。
幸いにも必要な物は揃っていたからあとは旅立つだけだったんだが、
その前にまずは腹ごしらえをしないとだからな、というわけで食堂に向かったんだよ。
そこには既に何人かの人達がいて食事を楽しんでいたんだ。
その様子を見ていたら急にお腹が空いてきたから俺も一緒に食べることにしたんだよ、
メニューの中から適当に選んで注文したんだがそれが結構美味しかったんだよな。
これなら毎日食べたいって思うほどだったんだよ。
だけど、そういうわけにもいかないだろうから諦めるしかないと思ったんだが、そんな時に一人の女性が声をかけてきたんだ。
それもめちゃくちゃ美人な人だったからさビックリしたよ。
「あの、もしよろしければ相席させていただいてもいいですか?」
って言われて了承した途端嬉しそうに微笑んでくれたんだっだが、よく見ると耳が尖っていたんだよ。
あれってエルフってやつじゃね?
そう思った瞬間に心臓がバクバクし始めたんだけど、平静を装って話しかけようとした時にある事に気づいたんだよね。
彼女の後ろに小さな妖精みたいな奴がいるんだけど、そいつに見覚えがあったんだよなぁ。
そいつの正体を思い出した俺は驚愕すると共に心の中で叫んだのだった。
そうそいつはなんと!
俺の幼馴染であるルリサだったのだ。
なぜここにいるのか気になったのだが、それよりも気になったことがあったんだよ。
それは服装の事なんだが、明らかに冒険者といった格好をしていたんだよ。
おまけに腰に剣を装備していることから彼女も冒険者なのだと判断したんだ。
(それにしてもすごい恰好をしているよな)
そんなことを考えているうちに料理を運んできたみたいでテーブルの上に置いてくれていたのだが、
それを見た俺は再び驚くことになったんだよ、何故なら見たこともないような料理が出てきたからだ。
(こんな豪華な料理は初めて食べるかも……)
そう思っていた時だった、彼女に話しかけられたんだよ。
「どうしたのですか?」
って聞かれたので正直に答えることにした。
そうすると彼女は笑いながら答えたんだ。
「ああ、そういうことでしたか、これは私の故郷の郷土料理なんですよ、お口に合いましたか?」
と言われたので素直に感想を伝えることにしたんだ、もちろん大絶賛しながらな!
そうしたらすごく喜んでくれてたんだよ、それにつられて他の皆んなも盛り上がってくれたんだ。
本当にいい奴らばかりで助かったよ!
おかげで楽しい時間を過ごせた上に仲良くなったしな、
これで仲間ができたと思って喜んでいたんだけどまだ一人足りないことに気づいたんだ。
それは誰かというと、例のエルフの娘のことだ。
どうやら彼女は別の席に座っているみたいだな、何やら楽しそうに話をしているようだが
何の話をしているんだろうか気になるところだが、ここからではよく聞こえないし仕方ないかと思っていた矢先のことだった。
突然周りが騒ぎ始めたと思ったら一人の男性がこちらに向かって歩いてきたのが見えたのだ。
しかも、その人物というのがかなりイケメンだったからだれだけ驚いたことか。
(まじかよ! なんでこんな所に超イケメンの男が居るんだよ!
っていうか一体誰なんだこいつ、めっちゃカッコいいじゃねえか! くそ〜羨ましいったらありゃしないぜちくしょうめ!)
そんなことを考えていたら彼が口を開いたんだ。
「やあ、皆さん初めまして僕はグレンといいますよろしく!」
と言って微笑んだんだ。
「はい、初めまして! 私はアリスといいます宜しくお願いします」
と丁寧に挨拶を返していたんだ。
その姿を見た俺は思ったんだけど、
(すげえな、本物の貴族か何かなのかもしれないね)
と感心していたよ、まあそれはさておきこれからどうしたものかなと思ったんだが、
グレンと名乗ったイケメン君が俺に話しかけてきたんだよね。
「あなたはケンイチ君ですよね?」
って言われてびっくりしたよ。
なんで俺の名前を知ってるんだろうなって思ってたら続けてこう言ったんだ。
「あなたの評判を聞きまして、是非仲間にしてもらえないかと思ったのですよ」
って言われたんだよ。
それを聞いた俺は思ったんだ、確かに仲間がいたほうが何かと都合がいいし、
それに一人で行動するよりは効率的だろうなと思ったんだ。
だけど一つだけ問題があったんだよ、それは俺が男だって事だ。
もしこの事がバレたらどうなるか分からないし危険な事に巻き込まれる可能性もあるので悩んだんだが、
まあでもなんとかなるかなと思って承諾したんだ。
その後グレンと一緒に食事をしたんだが、めちゃくちゃ話が盛り上がったんだ。
特に異世界の話題について盛り上がったんだよ、彼は俺と同じく日本に住んでいたということがわかったんだ。
まさか同郷の人間と出会うとは思いもしなかったけどね。
そんな訳ですっかり意気投合してしまったので仲良くなることはできたと思うんだよね、
ただひとつ気になることがあったんだが、それは彼と一緒にいる二人の女の子達との関係なんだ。
話を聞く限り彼女たちも仲間みたいなんだけど、一体どういう経緯で知り合ったんだろうなと思ったんだよね。
まぁ、そのへんは聞かないほうがいいかなとあえて聞かなかったんだけどね。
そんな訳で、グレンとは今後も付き合いがあると思うんで、仲良くしていきたいところだよな。
そんなことを考えていたら、どうやら話が一段落ついたようだ。
するとエルナさんが声をかけてきたんだよ。
(ん!? なんか顔が近いぞ……)
と思いながら見つめ合っていると、不意にキスされちまったんだが、
いきなりだったのでビックリして動けなくなっちまって、そしたら今度は唇を離して耳元で囁くように言われたんだよ。
その囁き声がやけに艶めかしくて思わずゾクゾクしたけど平静を装って聞いたんだ。
「あの、これはどういう状況なんですか?」
俺は戸惑いながらも質問してみると、エルナは微笑みながらも答えてくれた。
「ふふ、気にしないでいいですよ、ただあなたが可愛くて思わずキスしちゃいましたけど迷惑でしたね?」
そう聞かれたので慌てて首を横に振った。
(いやいや、むしろありがとうございます!)
って心の中でお礼を言ってたんだが、どうやらそれが顔に出てたみたいで笑われちまった。
しかもエルゼリア様にまで笑られちまって恥ずかしくなった俺は顔が真っ赤になったが、
その顔を手で隠すようにして俯いていると、不意にエルナさんが手を握ってきたので
驚いて彼女の顔を見たんだけど、何故か悲しそうな表情をしているのを見て心配になったんだ。
何かあったのだろうかと思っていると、彼女が話しかけてきたんだよ。
「貴方は私のことが嫌いですか?」
とか聞かれて、もちろん嫌いじゃないので素直に答えようとしたんだけど言えなかったんだよね。
「いえ、そんなことはありません、むしろ貴女みたいな美人な人に好意を持たれるなんて光栄だと思っています、
ただ、いきなりキスされたらびっくりするし照れてしまうから、少し恥ずかしいんですよ」
となんとか答えたら彼女も納得してくれたのか笑顔になったんだ。
その後、グレン達と別れて部屋に戻ることになったんだが、
途中でエルゼリア様と二人きりになったので思い切って聞いてみたところ意外な答えが返って来て、思わず驚いてしまったのだ。
なんでも俺に好意を持っているらしいのだが、何故だろうと思って理由を聞いてみたんだけど教えてもらえなかったんだよな。
その代わりというわけじゃないんだが、ある条件を突きつけられてしまったんだよね、
それは……俺と一晩一緒に寝ることというものだったんだよ!
流石に戸惑ったけど断るわけにもいかなかったので仕方なく了承したんだけどさ、まさかあんなことが起こるとは思わなかった。
翌朝目が覚めた俺は、横にいる美しい女性を見て驚愕したんだ。
何故なら、目の前には一糸纏わぬ姿の絶世の美女の姿があったからだ。
そう、彼女は俺に一夜を同じ部屋で過ごせと言ってきたのだが、俺が了承した途端、彼女は服を脱いで全裸になるとベッドに潜り込んで来たんだ。
そしてそのまま俺に覆いかぶさりながらキスしてきたんだ。
俺は動揺して慌てて離れようとしたが、既に遅く、がっちり押さえつけられていた。
しかも、その状態のまま何度もキスをされたせいで段々と力が抜けていった。
完全に脱力した頃を見計らっていたのか、
エルナさんは俺を抱き寄せるような形で体を密着させてきたと思ったら、
なんとそのまま俺の体を弄び始めたのだった。
そして、夜も更けていった。
一体なぜなんだろうと思って考えたんだけど、やっぱり理由は分からなかったよ。
ただ1つ言えることは、俺は彼女に完全に惚れ込んでしまったって事だけだ。
今では彼女のことを心から愛しているんだ。
だからもう後悔はない。
そんな訳で、今俺は幸せに暮らしているのであった、
ちなみにだが、俺とエルゼリア様がそういう関係になったということは誰にも言ってないんだ。
二人だけの秘密にしているってわけ、なんかその方がドキドキしないかい?
あとね、俺が勇者だって事も内緒にしてるんだぜ。
だって、バレたら大騒ぎになって、大変なことになるだろうからさ。
だから今は大人しくしているってわけ、だけどいずれは皆んなに打ち明けようと思う。
それまでは内緒にしておこうと思っているんだけれども、大丈夫だろうか心配だな。
まあ、もしバレた時はその時考えようかな。
そんな訳で、今日もまた彼女との甘い時間を堪能する日々が続いているのである。
そんなことを考えていたら、ふとある疑問が浮かんだんだ。
それは、彼女は一体どういう風にして、俺を見つけたんだろう。
ってことだ、気になったので思い切って聞いてみたところ、彼女は笑顔で答えてくれたんだ。
なんでも彼女は以前から俺の噂を知っていて密かに探していたらしく、偶然街で見かけた時にピンときたらしいんだ。
それでわざわざ調べてみたらやっぱり俺だったということが判明したみたいなんだよ。
まあそういうことならいいかと思う一方で不安もあったんだけどね。
なにせ彼女が俺のどこに魅力を感じたのかが分からないからさ。
そこが気になって聞いてみたんだけど、そしたら意外な答えを言われちゃってさ。
それがまた凄いんだよ、なんと、俺のことが気に入ったのは顔ではなく魂だったらしい、
そして彼女のお眼鏡にかなった魂の持ち主こそ、俺だったんだとか、正直驚いたぜ。
まさか、そんなことで見つかるとは思ってもみなかったからな。
しかもその後、俺の過去まで調べてきちゃって大変だったんだぜ。
なんせ自分の恥ずかしい過去とかも知られちまってるんだもんな。
流石に恥ずかしかったわ。
まあそういう経緯があったからこそ彼女は俺を好きになっているってことだよな。
そう思うと、何か運命めいたものを感じるよな。
まあ、そんなわけで今ではすっかり仲良くなってるんだけど、最近は彼女の愛情表現にも拍車がかかってきてさ。
毎日のように求めてくるようになってきたんだよな。
可愛いったらないぜ。
だけど、あまりやり過ぎるのも良くないと思うんだ。
だって、俺の体力が持たないだろ。
流石にこれ以上やられるのは辛いなって思ってたところに救いの手が差し伸べられた。
それは、 俺が勇者として覚醒してから数日後のことだった。
突然国王から連絡があり、至急王宮に来られたしという事だったんだ。
一体何が起こったんだろうかと不安になりつつも急いで王宮に向かう事にしたんだが、途中で馬車から見た王都の様子は以前とは一変していたんだ。
街の至る所に兵士が配備されているし街行く人々の中にも兵士の姿が散見されたからだ。
その様子を見る限りでは警戒態勢に入っているとしか思えないような雰囲気だった。
嫌な予感を覚えながらも何とか到着すると、そこには既にグレンさんやエルフの双子姉妹の姿があった。
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